あと１ｃｍの恋 (ページ17)

今日:24 hit、昨日:1 hit、合計:69,025 hit

16_望む視界の先はページ17

Side:Tatsuya

俺には1つ違いの幼馴染がいる。

その子には弟がいるからその弟も必然的に俺の幼馴染になる。

恋愛経験の全くない俺だけど一応あいつらの前では”お兄ちゃん”的な存在なわけで。

今日は仕方なく蓮の恋愛相談にのってあげることにした。

紫「んで、Aの同クラのカリナって子に一目惚れしたと。」

黒「そう。でも、、、俺今までちゃんと恋愛したことなかったから、どうやってアピールしたらいいのか全然わかんね」

紫「え、、、でも蓮彼女いたことあるよな？」

黒「そりゃいたよ、彼女の1人や2人。どうせあいつら俺の顔しか見てなかったし、振ってやった(笑)」

黒「ふっかは？好きな人とかいないわけ？」

好きな人、、、、？？まず好きな人ってどーやって作るんだよ。

黒「ダメだ。もうこの人赤ちゃんだな(笑)好きな人がわかんない感じ？」

紫「、、、人を好きになるってどういう感情になるの？俺全然わかんないわ。」

黒「ん～、、、例えば俺の場合だと、初めて出会ったときにビビッと来たんだよね。その人を見ると無条件で胸がキュっとなったりとかさ」

”胸がキュっと”ねぇ。感じたことないなぁ。

紫「へぇ～、、わかんないわ(笑)恋ってムズイのな。」

結局俺が蓮に恋愛とは何かをレクチャーしてもらっただけでこの日は終わったけど、俺好きな人なんてできないんだろうなぁ。

でも一目惚れは信じてるし、人を好きになってみたい気持ちもあるのは事実で。

そんなある日のことだった。

いつも通り授業を終え部活に向かおうとしたとき、声をかけられたんだ。

？「あの、深澤くん、、、少し時間ありませんか？」

紫「まぁ、少しくらいは。」

顔も見たことないしもちろん喋ったことすらない女の子。神妙な面持ちで俺の教室の前で待ってたっぽいからよほどの用事何だろうと思い、少し話すことにした。

？「私、C組の小野寺花音です。私、深澤君のことが好きなんです。よかったら私と付き合ってくれませんか？」

俺のことが好き？俺この子の名前すら知らなかったよ？

今日バスケ部でどんな子か聞いてみよ。

とにかくなんか答えないと。

紫「少し考えさせてもらってもいいかな。俺、君のことあんまり知らないしさ。」

小「はい。突然呼び出してごめんなさい。」

紫「別に敬語じゃなくていいんじゃない？だって俺ら同じ学年っしょ？」

小「わかりｍ、、、わかった！」