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055 中途半端 ページ6

7人の運命をかけた舞台、ミュージックフェスタ当日。
みんなには散々付いてきて欲しい、そばで見守っていてほしいと頼まれたが全て断わった。みんなの気持ちにも答えず、天くんに言われたことも守れずの臆病なわたしは結局テレビの前で、そこに映る彼らを応援することにしかできなかった。
自分でもひどいことをしている自覚はある。だけどやっぱりわたしは、Crarisuのことを守りたい。アキのことを守らなくちゃいけないんだ。
本当に自分勝手でイヤになる。IDOLiSH7のみんなに良くしてもらいながらも、IDOLiSH7の大切な正念場に立ち会ってあげないことも。成長した姿を見て欲しいと頼み込む天くんのその姿に応えていないことも。待ってるって言ってくれたRe:valeにいつまでも向き合えないことも。アキのために音楽を辞めると決めたくせに、結局わたしは音楽から離れることが出来ずにいつまでもズルズルとやってたらここまで来てしまったことですら。
ーーー何もかもわたしは中途半端だ。


「あ、みんな…」


自己嫌悪の中でついにIDOLiSH7の出番が来た。だがどうも様子がおかしい。「何が」と言われると答えられないんだけど、なんだろう。嫌な事が起きそうなそんな予感。


「っ!一織、くん…」


嫌な予感っていうのは大体当たる。
今までどんな時でも完璧だったあの一織くんが、曲の歌い出しを忘れた。まさか彼が忘れるとは思わなかった分、みんなの顔に動揺が走る。無音状態が続いていることに焦りを感じたらしくカバーに入ろうとはしてくれているが、陸くん、三月、壮五くんみんなで被ってしまい結局誰も歌えず。いつも最高のパフォーマンスをしてくれている環くんのダンスにはキレがない。大和さんとナギくんは動揺を顔に出さず笑顔でやることに努めているが、彼ら以外誰も笑っていないのがかえって痛々しく感じてしまう。
結果は、言ってしまえばグダグダだった。
昨日まで、みんなはちゃんと大丈夫だった。なんでそうなってしまったのかと考えた時、ふとわたしはその場にいないから何も知らないことに気付く。
もしかしたらなにか予期しないトラブルがあったのかもしれない。みんなの心の準備が出来ていないまま、ステージに立たされたのかもしれない。


「わたしが、中途半端だったから…」


そこにわたしが居たら何か変わったという保証はない。ただ、こんな風に後悔するくらいなら。
ーーー何もかもが中途半端。そのせいで、いつだってわたしの人生は後悔だらけのものだった。

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設定タグ:アイナナ , アイドリッシュセブン   
作品ジャンル:アニメ
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瑠奈(プロフ) - 068 嫌い の「自分を愛してくれる人を愛したいなんて思う人いる?」というセリフは変ではないでしょうか? (2019年5月21日 11時) (レス) id: 6936f9c053 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年4月12日 4時) (レス) id: a6e6d18aa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:深瀬 | 作成日時:2019年4月12日 2時

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