069 作戦 ページ20
「環くんがつらかったのはわかるよ。大事な妹さんのことだもんね。それを蔑ろにされたっていうのはすごく辛いことだからその気持ちもちゃんとわかってる。だけどそれが決してファンを大事にしない理由、仕事を大切にしなかった理由にはならないから。わかった？」
「はい…」
「ただ、今回は理由も理由なんだから壮五くんに一度ちゃんと話してみた方がいいよ」
「そうだよ！そういう事情で遅刻したなら、壮五もわかってくれるんじゃないか？」
「でも、部屋行ったけど出てくれなかった…」
「蓄積されたストレスが爆発してるんだろうな…」
話はMEZZO"仲直り作戦に。環くんが壮五くんを褒めればいいんじゃないかとナギくんが案を出してくれるが、環くんはそういうのは苦手だった。壮五くんに対して5分前行動、ナギくんに対しては喋り方が面白いと少しベクトルが変わった方で褒め出した。
次に好きな物をプレゼントというアイディアが出るが、実はお金持ちなのでは疑惑の壮五くん。持っているものも陸くんが貰ったというものも一級品らしい。それに対して500円しか出せない環くんにこの方法は無理だろう。
結局ちゃんと話し合うのが一番ということで、陸くんが壮五くんを呼びに行くことになった。コンビとしての今後を考えていくと、やはりこれが正攻法だろう。今から物なんかに頼っていたらこれから先を考えるだけで気が遠くなる。
「ふう…」
「あ、マネージャー」
「紡ちゃん、おつかれさま。ようやく解放されたんだね。長かったね」
「ありがとうございます…」
「…マ、マネージャー！本当に、ごめんなさい…。反省、してます」
「環さん…」
「俺のせいで…」
「…私は、どんな時でも環さんの味方ですよ。今回の遅刻の件は確かに怒られても仕方ないですが、私は環さんが優しい人だってことを知っています。何か理由があったんじゃないですか？」
「！」
ほらね、みんな環くんがどういう人かわかった上であなたを好きでいてくれてるんだよ。
「言い訳、壮五くんの次は紡ちゃんにも聞いてもらおうね」
「…うん。ありがとう、かののん」
「わたしは何もしてないよ。全ては環くんの人望によるもの」
目が合うと、お互いふっと笑みが溢れた。
「マネージャー！コーチ！」
「はっ、はい！」
「陸くん？」
「壮五さんが部屋に倒れてたんだ！早く救急車を…！」
「！」
ーーーきっと大丈夫。そんな風に思っていたわたしたちの元に訪れたのは、予想もしなかった事態だった。
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瑠奈(プロフ) - 068 嫌い の「自分を愛してくれる人を愛したいなんて思う人いる？｣というセリフは変ではないでしょうか？ (2019年5月21日 11時) (
レス) id: 6936f9c053 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年4月12日 4時) (レス) id: a6e6d18aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深瀬 | 作成日時：2019年4月12日 2時
