037 もう一度 ページ38
「野外ライブ？また！？」
「あのでっかい会場で！？また9人だったらどうすんの？」
「こ、今度は…満席になります！」
「イマイチ勢いが足りない…」
「満席です！」
台風の日に無理を押し切って決行した新曲発表ライブ。トラブルも色々起きはしたが、あれのおかげでIDOLiSH7の名前が知れ渡ることになった。元気で明るいアイドルグループという印象と共に。
そんな中で、紡ちゃんはもう一度台場野外音楽堂でライブをすることを発表した。
「心配はいりません。時流は自分たちで作るもの。前回のライブは大コケでしたが、ひとつメリットがありました。なんだと思います？」
「あっついに大コケって言った」
「メリット？うーんと…」
「ビッグな会場でライブした実績です。ワタシたちに輝かしい、ステータスつきました」
「正解です」
「ナギ、良くわかったな…」
「ステータス＆グロリアス、ワタシの家では最も大事にされています」
いや、ステータスとグロリアスを大事にする家なんて早々ないだろう。ナギくんどこかのお坊ちゃまなのかな？見た目的にはすごく納得だけど。
「私たちは有名ではないので、ありがたいことにライブ実績だけ残り大コケの噂は広がっていません」
「一織くん…。大コケって言うたび、マネージャーが胃を押さてるんだけど…」
「だ、大丈夫です…。過去の失敗がずしんときただけで…」
「大コケは大コケでしょう。3000人が入るところ、9人しか入らなかったんですよ。パーセンテージで言えば目標達成率0.3%。わかりやすく表現すると大コケです」
一織くん容赦がない。
改めて考えると3000人中たった9人なんてあまり聞かない数字だ。彼らがもっともっと有名になって何万人動員って日が来た時には、笑い話や今ではありえない武勇伝的にはなるかもしれない。
この大コケ経験で紡ちゃんはマネージャー業に対して慎重になっているから、今回の発案者は一織くんか。大和さんを初めとする大人組は大丈夫かなあと心配を口にし、一織くんや陸くんを初めとする若者組はやってみよう！と意気込んでいる。このグループ、年齢層わりと広いなあと改めて思う。そして若い子は躊躇いがなくていいなあ。
「だってほら、最近お客さんの数も増えてきたような感じしませんか？」
「OH！ワタシ、声かけられました。IDOLiSH7のナギさんですか？」
「すげえ、芸能人みたい！それでどうしたの？」
「ここなについてトークしていたら、去っていかれました」
「そりゃそうなるよ…」
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作者名：深瀬 | 作成日時：2019年3月22日 22時
