015 初ライブ ページ16
「台場野外音楽堂！？」
IDOLiSH7の活動初日。
紡ちゃんは全員をレッスン場へ集めると、とんでもない発表をした。
「いきなり、あんな大きな会場でデビューライブをするんですか？」
「残念ながら、デビューライブじゃないんです。でも、記念すべき初ライブですから！みんなに大きなところで踊って欲しくて」
「OH、ビッグな会場です？」
「たしか3000人くらい入るんじゃないかな…」
「教室10個分くらい？」
「100個分くらいだね」
「なんだか現実味がないなぁ。大丈夫か、マネージャー」
「大丈夫です！それまでにばっちり宣伝します」
「だけど、オレたちなんかが…」
「自信を持ってください！陸さんの歌唱力。大和さんの表現力。一織さんの完成度の高さ。三月さんのエネルギッシュさ。壮五さんの万能さ。ナギさんの優雅さ。環さんのダンス力。充分に最前線で通じる力です！」
「はは…、そう言われると…」
「な！悪い気はしないよな！」
「みなさんは心配せず、デビュー曲のレッスンに励んでください。野外ライブに向けて、一緒に一生懸命がんばりましょう！」
「おお！」と気合いを入れてる8人を横目にわたしは少し心配になった。
確かに7人はアイドルとして活躍できる実力をすでに持ってはいるが、それは彼らを知ってるからこそのこと。知名度が皆無な以上、それなりのプロデュースがない限りいきなり3000人は厳しくないかな。わたしがやんわり止めに入るべきか。でも経験としては必要にはなるかも。
どうするべきか考えていると、思い出したかのように三月が「そういえばレッスンって…」と呟く。
「あっ忘れてた。今さらになりますが、改めましてこの度IDOLiSH7の振付師とレッスンコーチをさせて頂くことになりました九条花音です。よろしくお願いします！」
「えっ…」
「か、花音さんがコーチ！？」
「ビシバシ鍛えていくんでよろしくお願いします！」
「あんたコーチ経験なんてあるのかよ…」
「それに近いことは昔したことあります。それに3年間ノースメイアで音楽学校にも通っていたので多分心配ないと思う」
「OH！カノン、ノースメイアに行かれたことが！」
「すっごくきれいな国だよね。わたしノースメイア好きだよ」
「ワタシもです！」
ナギくんはノースメイア出身らしい。
あんな美しい国で生まれたからナギくんはこんなに美形なのかな。納得。
「それじゃあ花音さん、レッスンの方はお願いします」
「うん。紡ちゃんはライブの準備がんばってね」
「はい！」
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作者名：深瀬 | 作成日時：2019年3月22日 22時
