46 (深澤side) ページ50
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不意に手が触れて上がる体温に気づかれまいと歩き始める。バスに乗り込み、発車すると、気持ちいい揺れがAの眠気を誘ったらしい。少しずつ口調がゆっくりになり始めたら眠い合図だ。
深澤｢最近そのうちなんかミスする気がしてた｣
｢…いやな予感的中してるよ｣
深澤｢やっぱり〜？Aは頑張らなきゃって無意識に言ってる時が1番張り詰めてんだよ｣
｢そっか。私全然気づかなかったや｣
いつもみたいに疲れたって項垂れない時の方が、Aは疲れてるんだよ。しかも他のことに夢中で自分のことなんて気付かずに。
阿部もそれを何となく感じてて。クリスマスイブの日、チャーハンに野菜入れて！とか栄養素がなんとか散々調べて俺だけじゃ心配だからとAの部屋に来たのだ。
照が気を使って3人で帰らなくていいのかと聞いてたけど、俺の前だとAが弱いとこ見せないようにしちゃうからと言って先に帰ったし。
それをAに言おうか迷ったけど、
｢…った、首｣
深澤｢今なんか凄い音したんだけど笑｣
｢ガクンっていった笑｣
通路側にこくこく倒れて、バスのカーブの勢いで大きく頭が揺れたAがおもしろくてすぐに忘れた。
｢やばい寝そう｣
深澤｢寝な。ここどうぞ｣
｢え、肩こるよ｣
俺が肩を貸そうと平静を装ってトントン叩いたのに、色気のない返事を返すA。なんからしいわ、って思い窓に肘をついて外を見ると、素直に肩に頭を預けられた。
さらさらの髪が少し揺れると、妙にくすぐったい。あっという間に眠りについたAの顔を覗くといつもにまして無防備で、俺は小さく深呼吸した。
｢…ん…ばか｣
深澤｢…俺？笑｣
寝言までも色気がなくて、でも可愛くて仕方がない。恋は盲目って言うけど、これがそうなんだろう。
髪に思わずキスして、勝手に自分で赤くなって、落ち着けって自分に言い聞かせて。
バスの中で一睡も出来ないくらい、片側から伝わる寝息に緊張していた。
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妄想しか勝たん。 - 人物紹介のところかと思い直させて頂きましたが、これで大丈夫でしょうか？また何かあればコメントお願いします! (2020年12月30日 17時) (
レス) id: fe2bb3b753 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 名前変換が適用されてないみたいです… (2020年12月30日 16時) (レス) id: 5231e5d14b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妄想しか勝たん。 | 作成日時：2020年12月30日 12時
