29 (深澤side) ページ21
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三宅｢ここでいいよ、あと少しだから。ほんとにありがとな｣
深澤｢いえ。Aに送らせたくなかっただけなので｣
静かな夜、先生に対する遠慮なんてだいぶ無くなってた。
目の前にすると、どうしようもなくむしゃくしゃする。しかもあんな会い方だったから。Aの不安そうな表情を見て、早く先生を帰らせたかった。
三宅｢深澤は、どこまで知ってるんだ？俺とAのこと｣
深澤｢…高二の夏に、先生を庇ってAが転校したこと。先生から告白して今付き合ってること。一通り聞きました｣
三宅｢じゃあ、幻滅しただろうな。でも、｣
アルコールが少し身体から抜け始めたのだろうか。俺の方をしっかり向いて話し始める先生の目の迫力に、思わず負けそうになるのを耐える。
三宅｢でも、もう遠慮しない。
高一の時、何を言って突然Aの気を開かせたのかは知らないけど、あの時は負けたよ。急にAの横に常に深澤がいるようになって焦って、俺からAに近づいた。自分でも情けないし後悔してる｣
深澤｢っ…、後悔したって、先生はAの日常を壊したことには変わりないです｣
先生は気づいていたんだ。俺が、ずるい手でAの横を埋めたこと。見抜かれて動揺しそうな気持ちをぐっと殺すように先生から目を逸らさないようななした。
三宅｢そうだよ。でもその分、その倍幸せにする｣
深澤｢先生には出来ません。｣
三宅｢ストレートだなぁ。若くて羨ましいよ｣
そう言って先生は帰っていった。その後ろ姿を見ると、妙な悔しさで唇を噛んだ。
先生が話で聞いていた以上に本気なのが伝わって、俺が不甲斐ない気持ちに陥る。2度目で上手くいくことはないだろうって、Aと長く一緒にいてなんとなく思っていたのに、もしかしたらすごく幸せになる気さえしてきて完全に弱気になってしまっている。
照に情けないって言われるななんて思った。やっぱり、今のままじゃいけないんだろう。それは分かってる。
でも、やっぱり俺には度胸なんて一欠片も無かった。
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妄想しか勝たん。 - 人物紹介のところかと思い直させて頂きましたが、これで大丈夫でしょうか？また何かあればコメントお願いします! (2020年12月30日 17時) (
レス) id: fe2bb3b753 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 名前変換が適用されてないみたいです… (2020年12月30日 16時) (レス) id: 5231e5d14b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妄想しか勝たん。 | 作成日時：2020年12月30日 12時
