月明かりの下、今日も君を待つ。《怪盗キッド》

十九夜 ページ19

Aside









起きるといつの間にか朝だった。









体を起こすと、白いハンカチとカードがおいてあった。









《Aさん



眠っておられたので、置いておきます。



魔法使い 怪盗キッド》









『魔法使いさん、来てたんだ。』









私は、何か悪いことしたなぁ、と思いながらハンカチを仕舞った。









『………読まれちゃったかな。』









私は、茶色いノートに目を移した。









昨日あった事を久しぶりに日記に記しておきたかったのに、うっかり寝てしまったとは。









『私とした事が、何たる不覚………』









コンコンッ









「Aちゃ〜ん、入っていい？」









ノックされた扉からは、蘭ちゃんの声がした。









『うん、良いよ。』









「おはようAちゃん！」









入ってきた蘭ちゃんの後ろには、茶髪の可愛い女の子がいた。









『おはよう蘭ちゃん。あと、えーっと……』









「初めまして、鈴木園子でっす！」









「Aちゃんの事話したら行きたいって言い出して……大丈夫だった？」









『うん、全然大丈夫。

初めまして、Aです。よろしく園子ちゃん。』









「よろしくね、Aちゃん！」









『あれ、そう言えばコナン君は来てないの？』









「あー、あのガキンチョね。」









「コナン君は先に学校へ行ったの。」









『そっか、残念だなぁ。』









「あ、でも夕方に、博士達と一緒に来るって行ってなかったっけ？」









「あー、言ってた言ってたそんな事！

Aちゃん、頑張って！」









『え？う、うん、分かった、頑張る。

えっと、コナン君抜いて何人位来るの？』









「えーっと………1.2.3.4.5…………

６人位、かな？」









『うん、６人ね？

……アイス足りるかな……』









「足りなかったらウチのに買ってこさせよっか？」









『ウチの……？』









「あはは、園子って、こう見えてご令嬢だからね。」









「ちょっとー！こう見えては余計でしょ！？」









『ふふっ、じゃあお願いしちゃおうかな。

蘭ちゃんと園子ちゃんは、夕方は来ないの？』









「いや、だって、失礼じゃない？」









『ううん、いっぱいいた方が楽しいでしょ？』









「じゃあ……お邪魔しよっか。」

「そうだね！」









ああ、夕方が楽しみだなぁ。

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