愛し、酸っぱき、短編集 2 (ページ7)

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《続き》

川上家の呼び鈴を鳴らす執事。

あぁ、この日がやってきてしまった。

Izw「お邪魔致します。伊沢家の長男の伊沢拓司と申します。」

出迎えてくれたのは向こうの執事であろう女性。

“ お待ちしておりました。”

漫画のようなメイド服をきていた。

その奥に座っていたのは可憐な女性。

『よくいらっしゃいましたわね、伊沢さん。本日はよろしくお願いします。』

Izw「よろしくお願い致します … 」

確かに美しい方だった。

きっとおモテになられるだろう。

それから俺たちはたわいもない会話を楽しんだ。

どうやら両家とも親はあまり入ってこないらしく、

結婚さえしてくれればいいと思っているようだ。

『拓司さん、本当に私でいいかしら…？』

Izw「もちろん、それはこちらのセリフですよ…？」

… 嘘。

俺はペテン師だ。

美しい言葉遣いだってこういう時しかしないし、

女性には恋愛感情ももてない。

それなのに高嶺の花になりえそうなこの方と

俺は結婚してもいいのだろうか。

俺はこの方をきっと友達以上には思えない。

それなのに＿＿＿

Kwkm「姉ちゃん、これ…」

『ちょっと拓朗！今日は拓司さんがいらっしゃるし、大切なお話するって言ったでしょ！何勝手に入ってきてるのよ…！』

Kwkm「あ…！婚約者、、ごめんなさい…」

『んもう … あ、ごめんなさいね、拓司さん。ちょっと…折角なら挨拶くらいしていきなさい…！』

Kwkm「19の川上拓朗です。今は大学生で … 伊沢さんって、もしや、、」

Izw「… はい？」

Kwkm「東大ですよね。」

Izw「そうですが …」

Kwkm「僕も東大に通っています。お見かけしたことありますよ。」

川上くんは俺の方をみてゆっくり微笑んだ。

時が止まった感覚だった。

僕の本能が、うるさい。

Kwkm「伊沢さんが兄になるのですね、知っている人でよかったです！」

『あ、あら拓朗、拓司さんのこと知っていたの？』

Kwkm「学校では有名な人だよ、とても勉強が出来るって。」

やめてくれ、、

別にそんな出来るわけではないんだ、

というか、あんまり褒めないでくれ川上くん、

本能が、理性に勝てそうにない ……

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