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「っ、A…」


殴った事への罪滅ぼしなのか何なのか、翔太はわたしを乱暴にベッドに押し倒した癖に優しく触れてくる。

わたしの首筋や、鎖骨に数え切れない程の痕を残す。

それを、黙って受け止める。

翔太はわたしの体中に沢山鬱血を残し、やがて満足したのかゆっくりとわたしの顔を見つめて頬を撫でた。

そして口付けをする。

余裕のない、激しい口付けはいつもわたしの心の空虚をなくす。


「ん…Aっ……」


翔太を、ただ純粋に好きだと。

そう想いながら没頭していたこの行為はやがて、翔太の欲望の吐け口と、訳の分からないわたしの孤独を埋めるだけの行為となった。

乱暴に、だけど優しく服の中に手を入れてくる。

わたしは何でこんな事をしているんだろう。

この行為に果たして意味などあるのだろうか。

わたしには分からない。

だってもう、気持ちいいとすら感じないのだから。


ーーーーーーー


暖房も効いてない、シンとした部屋の中。

彼はベッドの中で幸せそうにぐっすりと眠ってる。

わたしは傷だらけの体でお風呂場に向かい、シャワーを流しながら必死に体中を洗う。

傷だらけの体に、更に傷が浮かぶ。

翔太にキスされた場所。

触れられた場所。

わたしのナカから出る、彼の欲望。


『…やめてって、言ったのに……』


彼は、どこまでわたしを縛り付ける気なのか。

子供を作ればわたしは逃げないとでも思っているのか。

でも一番哀れなのは、こんな事されても翔太から逃れる術を持たない、そんな自分。


余すことなく念入りに体を洗い流し、部屋中に散らばった服を適当に着た。

髪も乾かさないまま部屋を出ようとして、チラリと彼を見る。

わたしがシャワーを浴びた事にも気付かずぐっすりと眠っている。

……それでいい。

もう疲れた。

アパートを出て、昨日の朝と同じ道筋を辿る。

真冬の朝の空気は冷たく、着込んでいない体に襲い掛かる。

手足がガタガタ震えるけれど、何かもうどうでもいい。

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あっぷるぱい(プロフ) - しょっぴーと主人公がお互いに依存してたならば私はこの作品に依存しそうです (2019年7月15日 23時) (レス) id: 23406a511b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さと | 作成日時:2016年2月16日 23時

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