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「眠れない?」
少しだけ優しく響くひかるさんの声に、甘えたい衝動が湧き上がる。
ゆっくりと頷いた。
「何、幽霊とか気にしてる?ここ出た事ないけど。」
『……違う、』
「ん?」
『あ……あの、ひかるさんの仕事終わるまででいいから…ここに居てもいい、ですか?』
「いいけど……つまんねぇよ?」
『……いい、』
ひかるさんの隣に、勢い良く座る。
それだけで肩の力が抜けてリラックス出来た。
ひかるさんは再びパソコンに顔を戻す。
見ても分かんないけど、何気なくボーっとパソコンを見つめていた。
しばらくするとキーボードを打つ手を止まって、その手はリラックスしてうとうととし始めたわたしの頭にゆっくりと添えられた。
何度も、優しく頭を撫でられる。
それが心地よくて、温かくて。
嬉しかったけど切なくもなった。
それが何なのか分からない。
だけどわたし、ずっと欲していた気がする。
この優しい手を。
「おやすみ。」
そう聞こえた気がするけれど、すっかり睡眠モードになってしまったわたしは既に夢と現実の狭間を行き来している。
覚えているのは、ひかるさんの優しい手のひら。
少し掠れた、甘い声。
肩越しに伝わる、温もり。
それだけでこんなにも安心出来るなんて知らなかった。
これから始まる、新しい日々に想いを馳せながら、わたしは眠りについた。
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あっぷるぱい(プロフ) - しょっぴーと主人公がお互いに依存してたならば私はこの作品に依存しそうです (2019年7月15日 23時) (レス) id: 23406a511b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さと | 作成日時:2016年2月16日 23時