「愛してない」 (ページ25)

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初めて一つになった夜、わたし達沢山の話をしたよね。

翔太の昔話。

わたしの昔話。

実は翔太がわたしの事、ずっと好きだったって事だとか。

わたしの初恋が実は翔太だったとか。

沢山、沢山話しをした。

沢山、沢山笑った。

沢山、沢山幸せになった。

翔太が、何よりも誰よりも愛しくて。

何よりも誰よりも大切だった。

“好き”

もうすでに、そんな気持ちじゃなかったね。

だってわたしにとって、翔太は全てだった。

ずっと、誰かと居ても孤独を感じてた。

そんなわたしに光をくれたのは翔太だった。

何も見えなかった。

翔太以外、何もいらなかった。

「二人で迎える朝なら、冷たくないよ」

いつだっけ。

わたしが朝が来るのが嫌いだって、そう言ったんだよね。

そしたら、翔太はわたしを抱き締めた。

「朝までずっと一緒居る」

その言葉で、わたしは、救われたよ。

翔太。

ありがとうって、何回言っても足りないよ。

翔太。

ごめんね。

ごめんね。

こんな事になっちゃって、ごめんね。

最後まで、翔太の居場所になれなくてごめんね。

大好きだよ。

大好きだったよ。

『翔太…』

翔太の背中をそっと、抱き締めた。

その背中が何だか小さく感じて。

もうそれだけで、わたしの胸は熱くなる。

『翔太、』

「A。」

『ん、？』

「ごめんな。」

『…何で翔太が、謝るの…？』

「お前が、何よりも誰よりも大切だった。」

『わたしもだよ。』

「お前の側でだけ、俺で居る事が出来た…」

『うん…っ』

「ほんとは、こんな依存じゃなくて、ちゃんと、お前守って行きたかった…」

翔太はわたしを守ってくれてたよ？

だからわたし、ここまで生きて来れたよ？

わたしね、貴方に出逢わなきゃ良かったって思ってたけど。

貴方と出逢わなきゃ、人を愛する気持ちさえ分からなかったね。

『翔太…』

「……っ、」

『泣かないで、翔太』

「泣いてんのは、Aじゃん…っ」

『……っ、わ、別れ、よっか、』

「……うん」

最後に、そんな翔太の笑顔が見れたなら。

それだけでわたし、何もいらないよ。

ありがとう翔太。

ありがとう。

出逢ってくれて、愛してくれて、ありがとう。