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「バカだろ……」

『……うん、バカだよ、』


呟いたひかるさんの声は弱々しく、泣いているように聞こえた。


……これでいい。


誰かを守りたい、って思うのは貴方が最初で最後。



弱いとこ、わたしに見せて?


貴方の傷を、少しだけでも、軽くさせてみせる。


貴方へのお願いは、これで最後にするよ。


願わくばこの先、貴方が心の底から、笑えますように。






ひかるさんはわたしと向き合い腰を抱いた。


首に腕を回して、近付く顔は見ない事にした。

きっとわたしも泣いてしまうから。



余裕もなく、抱き締め合って。


無我夢中でキスをした。


二人の身体を覆う布が、もどかしくて。



『ひかるさん、』



冷たい指先が、躊躇いがちにわたしに触れた。

それを掬い上げるかのように手のひらで包む。



『大丈夫だよ。』



そう言えば、貴方は泣きそうな顔で頷いたよね。


ゆっくりと、貴方はわたしに触れる。


愛おしそうに、壊れ物でも扱うかのように。




わたしに、あの人を重ねて。




……それでいいの。


そうやって、貴方が楽になるのなら、わたしは何でも出来る。


ほんの少しの間だったけれど、貴方がくれた幸せが、わたしを優しく包むから。




やがて繋がった身体。


それを感じた瞬間涙が溢れ出た。



ひかるさんは、歪んだ顔のまま言った。





“愛してない”





わたし達は、互いの温もりを求め合う事でしか、互いの傷を癒し合えなかった。

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かえで(プロフ) - この小説大好きです!!!いつも更新楽しみにしてます(^^)頑張ってください☆ (2016年3月21日 22時) (レス) id: 683565b60e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さと | 作成日時:2016年3月1日 16時

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