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ひかるさんの胸に凭れながら、自然に口に出していた。

絵空事の夢。

だけど、何より大切だと信じていた夢を。

人の口から聞くのだって耐えらんないくらい嫌だったのに、わたしは今、自分の口からそれを伝えようとしてる。


でも何でだろう。

心はずっと穏やかなの。

きっとひかるさんがわたしを抱き締めてくれてるからだって、理由もない、確信が持てた。



わたしの家は、まぁ言ってしまえば貧乏家族。

母親は、十八の時にわたしを産んだ。

どういういきさつでそうなったのかとか、物心ついた時から居ない父親はどんな人なのかとか、気にもならなかったから聞きもしなかった。


母親がどんなとこで働いていたのかも、興味なかった。

あの人はわたしが邪魔で、わたしが家に居ると嫌な顔をする。

最初はそんなもんだったと思う。


でも、その頃のわたしは幼かったから、それが寂しくて寂しくて仕方なかった。


甘えたい。

抱き締めて欲しい。

ねぇお母さん、わたしの名前を呼んで?


ずっと“愛情”を求めてた。


誰かが言った。


“愛情の反対って、何だと思う?”


わからないと首を傾げるわたしに、誰かが笑って答えたんだ。


“無関心”


それを聞いて、妙に納得する自分にびっくりして。

その後、トイレで声押し殺して泣いたのを覚えてる。


“無関心”


それは、わたしに対しての母親の態度そのものだったから。

納得して、ああ、当たってるって思った。

そう思ったら、もう何か笑えて来て。


笑ったら、何でか悲しくなった。

引きちぎられそうな痛み。

怒ってくれればいいのに。

嫌いって言ってくれた方がいいのに。


あの人はわたしの名前さえ呼ばないんだもん。


わたしの事を、愛してないって。

そう思う事しか、出来なかった。


母親が再婚したのは、わたしが中学生になってすぐの事だった。

どうやって出逢ったかなんてもちろん知らないし、その頃のわたしはもうかなりひねくれていたと思う。

一緒に暮らしながらも、わたしに興味を示さない母親。

そのくせ外面だけはいいから、周りにいいお母さんだね、なんて。

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かえで(プロフ) - この小説大好きです!!!いつも更新楽しみにしてます(^^)頑張ってください☆ (2016年3月21日 22時) (レス) id: 683565b60e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さと | 作成日時:2016年3月1日 16時

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