*番外:熟練者の集う街* ページ34
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「──えっと……だから、羽の大きさはこの大きさがベストで……
これくらいの物が作れれば、エンジンも強力過ぎない物で十分になるから──」
「……総合的に考えれば、確かにどちらもこの容量で大丈夫だな」
空飛ぶ機械の共同制作が決まった後、Aはまず翔達の内の誰かに
理屈を理解してもらおうと、凪斗と共に資料を睨みながら言葉を交わしていた。
端から聞けば小難しいことばかり言っているが、
話が順調に進んで行っている様子だけはどうにか掴み取れる。
「なあっ、A〜!!」
そんな所へ場違いに飛び込んで来たのが、何故か泣きそうな顔をしている翔だった。
すっかり話し合いに熱の入っていたAは、その翔が近づいて来ていた事に
気付かず、突然現れたように錯覚して酷く驚いた様子で声を上げる。
「なっ、なに……!?」
「勉強を教えてくれないか!?」
「…………勉強??」
凪斗じゃスパルタ過ぎて散々なんだ、と言う翔に対して
素っ頓狂な声を返したAの視線は、彼の手元に落とされた。
見たところ、数学のテキストのようだが──。
「……今回の分は明日までに終わらせる約束だった筈だろ」
「だから困ってるんじゃないか!」
呆れて引きつった笑みを浮かべる凪斗に、叫ぶような声を出す翔。
どうやら彼等は、親元を離れて“学校”とやらに通わなくなった後も
こうして自主的に勉強をし続けているようだった。
「──でも私、機械以外は丸っ切り出来ないよ」
「え!? それはないだろ、そんな難しい事が自分でわかっちゃうんだから!」
学校、というのはAの住む場所では縁遠い存在で
彼女にとっては、それがどのような施設なのかを想像するに難いものである。
しかし、国語だとか数学だとか、理科だとか地歴その他etcがある事は知っている。
ただ学校に通わないAにとっては、専門分野以外は全て謎の領域だ。
なので、わからない筈がない、と翔に声を上げられても彼女は困るしかない訳で。
「だから、機械以外はダメだって……」
「言い換えれば、それに関わる知識以外はからきしだという事だ」
応用すれば、ある程度のものはわかるという事にはなるのかもしれない。
資料一つをまとめるだけでも、国語力、数式、物理法則や科学的根拠の
全てが理解出来て居なければ不可能になるのだから。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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8
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フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 聞いてないですよねえ! (白々しい。) 兄だけが、物語の最初で出て来た五人の存在を誰よりも早く知っていたことになりますね。 (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ヒビキさん» コメントありがとうございます! はい、その通りでございます! 話が半ばに差し掛かったところで、ようやくその正体がわかりましたね! (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉー(プロフ) - お兄さんなんて聞いてないですよΣ(゚Д゚)思った以上に複雑ですね (2015年9月21日 22時) (レス) id: 7b18582839 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 違っていたら申し訳ないんですけど、タイトルの絵に描かれている左側の男の子はもしかして主人公の兄である凛空ですか? (2015年9月20日 20時) (レス) id: b7ba2d1d16 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 書籍は流石に言い過ぎです!!!! 英語ですかー……あれは暗記教科のようなものな上、継続的な勉強になりますからかなりしんどいですよね;; (2015年9月13日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェイル | 作成日時:2015年8月30日 0時