Limit 59. ページ3
そんな彼の名は“凪斗(ナギト)”と言って、
彼と共にやって来たもう一人の少年は“俊也(シュンヤ)”。
どちらも落ち着いた雰囲気をもつ少年だが
前者は彼らの中でも最も頭脳派であり、後者は体力面に優れた人物である。
「(……まあ、どっちも力強さについては負けてないんだけど)」
何であれ、彼らにとってはどちらも頼もしい人手だ。
機械を扱うに当たって、制作のためには体力自慢が必要だし
設計や計器類等を使うためには頭脳派が必要になる。そして──
「……翔はまだ来ていないのか、A」
「あと五分くらいしたら来るんじゃない?」
俊也から黒の目を向けられて、肩をすくめたAが答えると
“そうだろうな”と言わんばかりに凪斗が呆れたように笑う。
凪斗は陽の光が目に痛いからと言って遮光布を目元に巻いているので
表情の変化はその分、よくわからなくなっていたが──少なくとも彼らにはわかる。
「今日はどうする? こいつ等の確認も良いが、今日は風が強過ぎるからな」
そうAに問う凪斗の視線の先には、目の前に並ぶ数機の機械達。
先ほどから彼らが大切そうにしているこの機械は、強過ぎる風に弱い。
何故なら、それらは“空を飛ぶため”の物だからだ。
その為、少なくとも頑丈には作っているつもりだが
万一を考えて風の強い日には出さないようにしているのだった。
「……早速、残りの一機を作ってしまおう。
また数日掛かりにはなるけれど、やる事は早い方が良いと思う」
「…………そうか。そう言ってくれると思っていた」
既に一機を作るための材料は、以前にきっちりと揃えてある。
あっさりと決断を下したAに、凪斗が満足そうに頷く。
となると、午前中は既に完成済みの機械の調整を行い、午後に制作開始か。
そう判断を下すと、すぐに取りかかろうと颯太の下へと歩み寄って行く凪斗。
一方、やがて小さな足音が聞こえて来たのに気付いた俊也が視線を移した先では
慌てた様子で息を切らし、こちらに駆け込んで来た者が居た。
「──悪いー! 遅れた!!」
快活そうな声を放ったのは、先ほど俊也が姿が見えない事を
気にしていた、“翔(カケル)”と呼ばれた少年だった。
見ての通り、遅刻常習犯の少年だが──。
彼らにとってのムードメーカー的存在でもあるのが彼で、彼らがこうして
この場に揃う事が出来たのも、実のところ彼のお蔭だったりもする。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 聞いてないですよねえ! (白々しい。) 兄だけが、物語の最初で出て来た五人の存在を誰よりも早く知っていたことになりますね。 (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ヒビキさん» コメントありがとうございます! はい、その通りでございます! 話が半ばに差し掛かったところで、ようやくその正体がわかりましたね! (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉー(プロフ) - お兄さんなんて聞いてないですよΣ(゚Д゚)思った以上に複雑ですね (2015年9月21日 22時) (レス) id: 7b18582839 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 違っていたら申し訳ないんですけど、タイトルの絵に描かれている左側の男の子はもしかして主人公の兄である凛空ですか? (2015年9月20日 20時) (レス) id: b7ba2d1d16 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 書籍は流石に言い過ぎです!!!! 英語ですかー……あれは暗記教科のようなものな上、継続的な勉強になりますからかなりしんどいですよね;; (2015年9月13日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェイル | 作成日時:2015年8月30日 0時