Limit 48. ページ14
陽の傾きや空模様によっては、この地上が夜のように暗がりに入る事はあった。
今は朝の時間帯の筈だが、頭上では青い空を覆い尽くす黒雲が覆っている。
昨日の夕方頃からそうだった為、寝る前に頭上に浮かばせていた──
片手で掴める程度の大きさである柱型のクリスタルを取って、それの明かりを消す。
『(……暫く晴れそうにないな……)』
空の様子を見やりながら、そのクリスタルを元々入れられていた鞄に戻した。
今手元にあるこのクリスタルは、別の言葉で言う“電球”のようなものだ。
他にも様々な場面で使用される物で、大きさもまた様々だが
とにかく総じて考えるならば“燃料”という概念に近い存在である。
──彼女が好んで学ぶ機械系にも、燃料としてクリスタルが使われている。
『…………よし』
ふと、暫く空を見つめていたAが再びリュックを背負って立ち上がった。
たった六年でも、自給自足が出来なければ何週間もしない内に息絶えてしまう。
鞄の中に、何週間かは食べて行けるだけの金銭は入っていたが
その先は自分の力で何とかしていかなければならない。
──どうすれば良いかはわからないが、一先ずは
機械関連の店を探すのも兼ねて、街中へ繰り出そうと考えていた。
『(……まずは朝ご飯からかな)』
適当にパンの一つか二つでも買えば空腹は満たされるだろう。
考えるべきは、その他についての事だ。
〜･〜･〜
──例えば、どこかで働いてお金を稼ぐとか。
彼女はまだ十の歳でしかなかったが、
掃除や運搬程度の雑事ならやらせてくれる所はあるだろう。
『(……やるとしたら、やっぱり部品が揃うお店とか?)』
自分の興味に全く関係のない店に雇われていては、
家に住んでいた時と殆ど変わりが無い。
予定通り、その辺の店で買ったパンを頬張りながら
長く続く一本道に幾つも陳列する店々へと視線を配った。
そして機械系の部品が揃う店を見つけると、吸い込まれるようにして足を運ぶ。
『(……ここなら、思ってたより充実してるかも)』
一本道に並ぶ店は、その道に沿って突き出したカウンターに商品を並ばせていた。
部品の揃う店に立ち寄った今も、Aの後ろでは多くの人が行き来している。
そんな中、残りのパンを全て口に突っ込んだ彼女は鞄からもう一度
資料を取り出して、そこに書き込んである機械と目の前の部品とを見比べた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
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フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 聞いてないですよねえ! (白々しい。) 兄だけが、物語の最初で出て来た五人の存在を誰よりも早く知っていたことになりますね。 (2015年9月22日 1時) (
レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ヒビキさん» コメントありがとうございます! はい、その通りでございます! 話が半ばに差し掛かったところで、ようやくその正体がわかりましたね! (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉー(プロフ) - お兄さんなんて聞いてないですよΣ(ﾟДﾟ)思った以上に複雑ですね (2015年9月21日 22時) (レス) id: 7b18582839 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 違っていたら申し訳ないんですけど、タイトルの絵に描かれている左側の男の子はもしかして主人公の兄である凛空ですか？ (2015年9月20日 20時) (レス) id: b7ba2d1d16 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 書籍は流石に言い過ぎです!!!! 英語ですかー……あれは暗記教科のようなものな上、継続的な勉強になりますからかなりしんどいですよね;; (2015年9月13日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年8月30日 0時
