Limit 37. ページ25
〜・〜・〜
衝撃の真実を知った翔達は、暫く気持ちを落ち着けさせることも出来ないであろう
Aの様子を見て、“今はそっとしておこう”と告げた凪斗の一声で
資料室を出て、後ろ手で静かに扉を閉めた。──鍵は開けたままにして。
『…………どうしたんだ、三人共?』
そこへ丁度居合わせて声を掛けたのが、俊也。
ここ最近ではあまり使う事の無い資料室から三人が出て来た事と、
その三人が浮かない顔つきをしているのを気にしての事だったようだ。
『……実は、今この部屋に女の子が一人居て──』
翔達は互いに顔を見合わせたが、ぱっとしない面持ちのまま俊也の問いに答えた。
最初にそう切り出したのは白羽で、
主に詳細を話したのは一連の流れを全て知っている翔だ。
──彼らの説明を聞き終えた後、現状を理解した俊也は改めて三人に問う。
『それで……なにか、わかったのか?』
この問いは、資料に対してだったのか、他の何かに対してだったのか。
どちらともつかず、翔は頷く事も首を横に振る事も出来なかったが
ただ口を開いて、俊也の問いに答え続ける。
『──あの資料を持って来たの、凛空兄だっただろ?
A……、あの人の妹だったらしいんだ』
『!! …………あの人に兄弟が居たとは』
翔達が知った真実は、彼らから話を聞かされただけである俊也をも驚かせた。
俊也は僅かに目を見開くと、顎に片手を宛がいながら小さく呟く。
それを目にしつつ、ちらりと背後の扉を見た白羽が口を開いた。
『こっちに人が来ることは、あまりないと思うけれど
……出来るだけ、そっとしておいてあげたいんだ』
『……わかった。辺りを近づく奴が居たようなら話をしておく』
見張りという訳ではないから、
偶然見かけた時に止めてやる事しか出来ないだろうが。
そう言った俊也に、翔と白羽は“ありがとう”と
礼を言って、その場から離れようと歩き出す。
『──凪斗』
それからふと俊也が呼びかけた凪斗もまた、無言のまま翔達の後に続こうとしたが
声を掛けられては無視をする訳にもいかずに、足を止めた。
肩越しに振り返って言葉の先を促す彼に対し、
俊也は僅かに目を細めて射貫くような視線を送りながら言い放つ。
『……お前は知っていたんじゃないのか。
少なくとも……その女子が、凛空と関わりのある奴だという事を』
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フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 聞いてないですよねえ! (白々しい。) 兄だけが、物語の最初で出て来た五人の存在を誰よりも早く知っていたことになりますね。 (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ヒビキさん» コメントありがとうございます! はい、その通りでございます! 話が半ばに差し掛かったところで、ようやくその正体がわかりましたね! (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉー(プロフ) - お兄さんなんて聞いてないですよΣ(゚Д゚)思った以上に複雑ですね (2015年9月21日 22時) (レス) id: 7b18582839 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 違っていたら申し訳ないんですけど、タイトルの絵に描かれている左側の男の子はもしかして主人公の兄である凛空ですか? (2015年9月20日 20時) (レス) id: b7ba2d1d16 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 書籍は流石に言い過ぎです!!!! 英語ですかー……あれは暗記教科のようなものな上、継続的な勉強になりますからかなりしんどいですよね;; (2015年9月13日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェイル | 作成日時:2015年8月30日 0時