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Limit 43. ページ19

『噂をすれば、ってところだけど……凪斗、あんまり人を苛めてやるなよ……』

『少々、協力に消極的だったようだからな。偶然ここを通りかかって良かった』



折角良い人に出会えたのに、と肩を落として苦笑する翔に
凪斗と呼ばれた少年が小さく溜息をつきながら返す。

もしこのまま翔に任せっきりになっていたら、
きっと彼女は強力してくれる決意を固めてくれなかっただろうと。



『……俺達にはわからないが、あれだけの資料を理解出来ているお前なら
きっとわかる筈だ。──お前にとっても、見に来る価値はあるだろう』



翔との会話から、Aとの会話に切り替えた凪斗の視線が移った。

とは言っても、目線の動きは彼が目を隠しているせいでわからず
微妙な顔の動きでなんとかそうだと判断したAは、俯きながら考え込む。



『(私にとっても価値のある事……か──)』



もし彼らがこちらの利益も尊重しようと言うのなら、彼らが持つ資料の正体が
わかってもわからずとも、決して無駄な干渉にはならないだろう。

わかれば彼女は彼らの力になれるだろうし、
逆にわからなければ、それについての研究をさせてもくれる筈だから。

──そう思い至って、Aは徐に口を開いて凪斗に問いかけた。



『……今、“空を飛行するために考えられた機械の設計図だ”って言った?』

『ああ。お前が持っていた資料とそいつは似た構造をしているように見える』



素人の目ではそれが本当に同じ物なのかはわからないが、似たような設計なら
どちらにしろ彼女のためになるだろうと思う、と凪斗は言う。

それが事実なのか偽りの話なのか、Aに見極められる手段はなかった。
ただ、彼女にとって最も魅力的な話であったのは確かだ。



『なっ、良いだろ?』



愛想の良い笑みを浮かべる翔も
Aの顔を覗きこむように身を屈めながら頼み込む。

しかし、明るく笑う彼の様子は何故だかAの不安を煽った。
恐らくは、彼に妙に期待されている事への不安感だろうと彼女自身は思っていたが。

……断じてそれだけでは無かったのだとわかるのは、これよりも後の事になる。



『自転車を直してくれたお礼もしたいしさ!』

『お礼って?』



彼女からしてみれば大したことはしていない訳だが、
遠慮する事も無く翔の言う“お礼”の意味を確かめようとした。

どちらにしろこの話を承諾する為に行く事になるのなら、
お礼を遠慮するよりかはどのような物になるのかの方が気に止まるところだ。

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設定タグ:ファンタジー , Flysohigh!!   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 聞いてないですよねえ! (白々しい。) 兄だけが、物語の最初で出て来た五人の存在を誰よりも早く知っていたことになりますね。 (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ヒビキさん» コメントありがとうございます! はい、その通りでございます! 話が半ばに差し掛かったところで、ようやくその正体がわかりましたね! (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉー(プロフ) - お兄さんなんて聞いてないですよΣ(゚Д゚)思った以上に複雑ですね (2015年9月21日 22時) (レス) id: 7b18582839 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 違っていたら申し訳ないんですけど、タイトルの絵に描かれている左側の男の子はもしかして主人公の兄である凛空ですか? (2015年9月20日 20時) (レス) id: b7ba2d1d16 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 書籍は流石に言い過ぎです!!!! 英語ですかー……あれは暗記教科のようなものな上、継続的な勉強になりますからかなりしんどいですよね;; (2015年9月13日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フェイル | 作成日時:2015年8月30日 0時

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