泣かないで。# 6 ページ6
目を開けると、1番に飛び込んできたのは真っ白な天井。
処置室で寝てしまった私を見かねた先生が運んでくれたのだろうか。
横の壁についている時計は、私の知らない間に18:00を示していて、7時間も経っていることに驚いた。
起き上がって周りを見ると隣のベッドにはマサイくんが酸素マスクと点滴を付けられて眠っていた。
急いで自分のベッドから降りて、マサイくんのベッドのそばの小さい椅子に腰掛ける。
針の刺さっていない右手に触れて、ぎゅっと握った。
温かくて、大きくて、紛れもないマサイくんの手。
「マサイくん ... 」
そう呟くと同時に、涙が頬を伝って握っていた手の上に落ちた。
「ごめんね ...、ごめん ... 。」
目を強くつぶり、何度も繰り返した。
目を覚まして、優しい笑顔ととろけそうな甘い声で私の名前を呼んでよ...。
「... マサイ、くん ？」
手がピクリと動いて、私の手が弱々しく握られた。
ゆっくりと目が開き、私の顔を見ると酸素マスク越しに微かに声を発する。
マ「... 泣かないで 、A。」
握っていた右手が頬に伸びてきて、そっと添えられると親指で涙を掬われた。
.
.
.
《刃が幸いにも臓器に達しておらず、傷口も小さく、出血も収まってますので、命に別状はありません。》
あとから先生が来て、そう言われた時の安心は尋常じゃなくて、はぁ と息が漏れた。
マ「退院、いつ、出来ますか。」
《傷口の状態にもよりますが、1週間から2週間くらいかと。... その他にありますか？》
マ「大丈夫です 、ありがとうございました 。」
頭だけをぺこりと下げて、先生が部屋から出ていったあと「ふぅ、」とマサイくんは息を吐いて目を瞑っていた。
流石にまだ辛いんだろうな...。
マ「... 婚姻届、ごめん。」
「ううん、マサイくんが無事で良かった...。」
マ「... Aも無事でよかった。」
マサイくんはそう言うと、「A。」と私の名前を呼んでから、優しく頭を撫でた。
マ「こっち、来て、」
言われた通りに体をマサイくんの方を寄せると、マサイくんは顔を上げてそっと触れるくらいのキスをした。
「ちょｯ ... 。」
マ「続きは、また今度な 。」
そう言って、微笑むマサイくんの顔を見ると、私も口角が上がった。
「早く、治してねｯ！」
元気になれ、という願いも込めて、私からマサイくんに長いキスをした。
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もっち - ピンクが多めでいいでしゅね(←変態) (2019年7月24日 10時) (
レス) id: f5d566c6da (このIDを非表示/違反報告)
もっち - いい小説です(上から目線失礼しますw)求めていたのはこういう小説でございます！良き…！ (2019年7月24日 9時) (レス) id: f5d566c6da (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月（ダホマサモトシル）(プロフ) - らたさん» え！まさかの仲間がいた！ (2019年7月15日 9時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
らた - いらない話だと思いますが、私もバスケで突き指して剥離骨折なりました笑 だから見た瞬間え！？ってなりました笑 (2019年7月15日 0時) (レス) id: ba9ac53428 (このIDを非表示/違反報告)
星空夢月（ダホマサモトシル）(プロフ) - Azuさん» そうなんですよ！書く方によって変わるんで楽しめるんです！ (2019年5月5日 22時) (レス) id: 335f3bf1dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小春 。 | 作成日時：2018年12月9日 18時
