第42話 ページ43
。
「ッ……ぃ…っ……!!?」
腹部に突然激痛が走る
キールに思い切り腹を蹴られた
まじで??有り得なさすぎ
コケにされたからって直ぐに蹴るとか最早男の風上にも置けないじゃん
っていうか手出す時点でクズすぎ
人間じゃないじゃん
自分が悪い癖に棚上げにして蹴らないでほしいわ
勿論こんな痛みは初めてなので
ものすっっっごく痛い
「ぅ…ケホッ………」
これ内臓破裂とかしてないよね…痛すぎてやばい
「お前みたいな調子に乗った女を組み敷くもの悪くないな?」
「ケホッ……はぁ……は………?」
キールに馬乗りにされ、そのままワイシャツのボタンに手をかけられる
「それに清純そうなふりをして“相手”をしていたんだろ?彼らの」
「………は?」
「じゃなかったらお前がなんで男だらけの海賊船に乗ってる」
「………………………」
呆れてものも言えないってこういうこと?
こいつのこの浅はかな考え方に反吐が出そう
「バッカじゃないのあんた」
「……あ?」
「彼らはあんた達みたいな最低な事しない
そもそも。考え方も思想も違う。人を攫って金にするようなカスなあんた達とは月とスッポンの差があるのよ。わかる?」
「何を…」
「大体!!テメェ等みたいな虫以下のゴミクズ集団と彼らを一緒にするな!!!!語るな!!!!心底腹ただしいわ!!!」
確かに私は彼らの海賊の一味かと言われたらまたきっと違う
海賊に向いてる様なことひとつも出来る訳じゃないし。そもそも無縁だから
それでも見知らぬ小娘に一緒に来ないかと言ってくれた
そこにどんな思いがあったにせよ
「よっぽど死にたがりのようだなてめぇは」
いよいよ怒りが頂点に達したのか
キールは腰からサバイバルナイフのようなものを取り出す
「女にするのも生かすのも止めだ。ここで終われ」
あんたの女になるくらいならその方がマシだっつうの!!
ああ。でも
まだ彼らにお礼が出来てない。シャンクスに
謝れてない
キールは私の胸目掛けて思いっきりナイフを振り下ろす
やば。まじで終わる
でも言いたいこと言った。いや本当は死にたくないけれど!!
それこそ本当にこれで終わり、と思ったのでギュッと目を瞑った
鈍い音がするまでは
「なっ……!?」
恐る恐る瞼を開けるとキールは動揺して汗をかいている
というかナイフが弾け飛んだ?転がっている
視線の先を私も目で追う
そこに居たのは
「…あ………………」
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