第10話 ページ11
。
なんて訳もなく
「ベンさん見てよこれ酷くない!?」
クシャクシャにされた髪を指さしながらベンさんにヘルプを出した
だってあの後シャンクスに髪クシャクシャされた後スマホを撮られ返せ返せって鬼ごっこしてどっと疲れたからです
「シャンクスが私を!!いじめてくるんですけど!!」
「いじめとは人聞きの悪いなぁ」
シャンクスはヘラヘラとしながら笑っている
おのれ顔が良いからって!!顔が良いからって!!
「ほらほら、そう怒るな」
ベンさんに頭をポンポンとされながら髪型を直された
ん゛ッ…優しみ……身に染みる…………
「に引き換え…」
じろりとシャンクスを見る
シャンクスは惚けた顔でニヤけ顔でずっとこっちを見てる
「べーーーー!」
ベンさんの影に隠れながらシャンクスにあっかんべをしてやった
え?これが精一杯の反撃
「ほう、いい度胸だなぁ?」
笑いながらシャンクスがじりじりと近づいてくる
「ぎゃあああ!!ベンさんガード!!!」
ベンさんをガードしてシャンクスから離れる。しかしシャンクス接近
「くっ…こうなったら……ヤソップさんガード!!!」
どうだ!!鉄壁のガードよ!!!
「俺もガードかよ!」
「鉄壁のガードですー!!」
「なんだそりゃ!」
楽しそうに笑うヤソップさん、やれやれと呆れ顔しつつもちゃんと前に立ってくれているベンさん
そしてそんなやり取りを楽しそうに見ながら笑うシャンクス
私も自分でやってる事がなんだか可笑しくて笑った
なんでか凄く他愛のないこのやり取りが楽しくて
私のノリというかワガママというか……船員のみんなは嫌な顔をせずにそれに合わせてくれる
心做しかみんなも楽しそうに見えて
不思議と居心地が良いなと実感していった
ただ1つだけ疑問
たまたまなのかもしれない、自然にそういう風になっているだけなのかもしれないけれど
みんなが私を見る目が、時折愛しそうに見るのがなんだか不思議で
乙ゲーのそれとかじゃなくてね?愛情ある視線っていうの
自分の子供を愛でる親の顔っていう感じ?
そんな顔をみんなはたまにしてる。それと同時に寂しそうにも見えたりする
私の気の所為かもしれないんだけれど
でもそれは嫌かなって言われたら嫌じゃないし
私も親戚のおじ……お兄さんと過ごしてるみたいな感覚にはなる
でも私は後に知る
私と出会う前の彼等が愛したたった1人の“娘”の話を
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