第1話 ページ2
。
そんな感じでそのまま扉の先に足を踏み入れた
期待と冒険を胸にってこういうこと?
謎にものすごくドキドキしていた
うわうわ……本当に砂浜……
ゆっくりとローファーで踏みつければ柔らかい砂の感覚
歩きにくい感覚
「本当に砂だ……」
確かに中学生の頃とか夢小説のトリップとかそういうの読んでたよ?
だって皆1度は別世界に思いを馳せるじゃない??
中学の時なんて尚更だよ?色々と多感だし?
でもさ、まさか今なの?って思うでしょ?
本当やばすぎ
そんな感じで「まぁ、夕方前に戻れば何とかなるでしょ!」という軽い感覚で扉の先に行ったのだけど
フラグ建築というやつで
それが最後になるとは夢にも思っていなかったというか瞬時に察した
だって砂浜に両足付けて扉から出た瞬間扉が消えたから
「…………………………ん??」
え?うん?
嘘??
扉、秒で消えちゃうの??
私ド●えもんじゃないよ??そんな簡単に「どこでもドア〜！」なんて出せないよ??
帰りどうするの??
こうなるのを分かっていたなら扉くぐらない方がいいんじゃない?って話だよね
はい、その通りです
「うーん……これ夢オチの可能性?」
そうだよ。何も現実じゃないかもしれない
私が都合よくそういう夢を見てるだけかもしれないし!
あ、ほら。カニが歩いてる!
すっごいリアル〜〜……あ、挟まれたら痛くないパターンじゃない?
って思うんだけど私は1級フラグ建築士なようで
物の見事に痛かった
「いっっっったぁぁぁい!!!??」
痛い痛い痛いイタイイタイ!!!!!
いや本当に痛い!!!
何!?カニに挟まれるとこんなに痛いの!!?聞いてないんだけど!!?
「きゃぁぁぁ離れろおぉぉ!!!!」
何とか右手をぶんぶんと回してカニから離れると直ぐに挟まれた右手の人差し指を海水に浸けた
「うわあん痛すぎるよぉ!!…なんでこんな痛いのぉ〜!!」
許せん!!こうなったら焼きガニにして食べちゃうぞ!!?
なーんて思いつつふと気づいた
「あれ?痛いし冷たい」
そう、カニに挟まれて痛かったし海の冷たさを感じた
「え?本当に?そういうこと?」
まじのまじ?
信じたくないけれどこれは現実?
私本当に異世界に来ちゃった……?
「…………どうしよう」
ふと先に浮かんだのは部屋に散らかしっぱなしにしたテスト結果
あーーーやばい!!
母上に見られたら終わる!!!!
あと新刊の漫画まだ読んでない!!
そんな感じで私の異世界奇譚は始まってしまったのである
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