第7話 ページ8
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深い眠りの中、夢見心地の感覚
そんな幸せな時間は目覚まし時計の音で一気に現実に戻される
バシッと目覚まし時計を止めて時間を見ればAM6:00
まだ寝てたいなぁ……起きたくない……
タイマーでエアコンの消えた部屋に扇風機の音だけが響き渡る
あれ、でも待って。今日行けば一学期終わり?
善は急げと布団から起き上がり、制服に着替えて洗面台へ直行する
歯磨きをして洗顔した後顔の保湿ケアをして化粧水をつけて下地とメイク……
いつもの諸々を終わらせ、髪を巻く
「……よし!今日も可愛いぞ私」
鏡に向かって見れば、何とも100点満の私がいる
よし、今日も可愛くいくぞ!!
「いってきまーす!!」
家を出て学校へ向かう
私の通う高校は割と田舎なので道の周りが田んぼだらけである
でも割と好きな景色
歩いて20分ぐらい
学校に着けばクラスメイトの子や友達がおはよう！と元気よく声をかけてくれる
「おはよーー!!」
「やば!!おりぴ今日も可愛いじゃん!」
「でっしょーー!!努力の賜物だわーー!!」
今日も可愛いね!とお互いを褒め合う
そんな他愛ない会話を友達とする
ああ楽しいなぁ……毎日が幸せってこういうこと?
「あ、待ってユーキくんじゃん?」
「え!ホントだ」
窓の外を見れば女子の憧れのユーキくんがいた
サッカー部のエースでルックス良しスタイル良しと文句なしのイケメンである
「カッコよ〜〜〜!!」
友達と2人でキャッキャッと騒ぐ
誰もが思う理想の高校生活を私は送っていた
けれどなぜだかたまに思うことがある
私のやりたいことってなんだろうって
高校2年生になって皆自分のやりたいことを口にしていたりしていて、正直羨ましいと思いつつ焦っていた
(私のやりたい事ってなんだろ…)
確かに最初は陽キャデビューする為に同期がいない、ここの高校を選んだけれど
でも最初の目的はそれだけだった
やりたいことって何……?
私のなりたいものって……?
そう思ったら突然心が寂しく感じた
その時からだろうか?
あの扉がまたはっきりと見え始めたのは
そうだ。中学の時は薄らしか見えなかったのに高校に入ってから、だんだんとその扉の存在感は増した
そうだ。私“扉を渡ったんだ”
それから、なんだっけ＿＿＿?
「うぅん…………?」
ふと目が覚ますと木目の天井が目に入る
ゆっくりと体を起こして辺りを見渡せば、私の部屋では無い部屋
(そうだった…私…今船の上じゃん)
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