第46話 ページ47
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「それはまぁ、そうなんだけど……」
罰が悪くなり私はシャンクスの顔から目線を逸らした
うう……顔が見れない
顔を伏せているとシャンクスは私の隣に腰を下ろした
「もう痛くないのか?」
「………ううん。まだちょっと痛いかも」
「そうか。なら尚更戻らないと」
「…………うん」
私達の間には静けさだけが漂い、波の音だけが響いていた
「……あのさ。シャンクス………この間はごめんね…」
「何のことだ?」
「この間。怒鳴っちゃって……あんな言い方無いよね…本当にごめんなさい……」
本来ならちゃんと相手の顔を見て謝らなければいけないのだけど
顔を伏せたまま言うしか私には出来なかった
臆病者の私の勇気の限界はここまでだった
自分が悪いのは分かってるけど目にはこれでもかと言わんばかりに涙が溢れた
「気にしてないさ。あんなの。寧ろお前の感情が見れて良かったぞ」
「……え………?」
「……お前は無意識に“人の顔色”を見ている癖があるだろう。だからお前があの時感情的になったのを見て安心したんだ。ちゃんと怒れるんだと」
「………シャンクス……………」
顔を上げてシャンクスの顔を見る
シャンクスは笑いながら私のことを見ていた
「…怒って…ないの……?」
「あれぐらいで怒らねえよ。反抗期みたいなもんだろうが」
「……ん……んっ……………」
シャンクスの言葉に我慢していた涙が一気に零れた
我慢していたのに。堪えていたのに
あんな暴言を吐いた以上、それ相応に怒られるのは当たり前だ
私の世界では
でもそうじゃないんだね、あなたは
肩を震わせて泣く私の肩を優しく叩くシャンクス
その優しさが尚更心を色々な意味で締め付けた
「ほら泣くな?可愛い顔が台無しだぞ?」
「…んっ……うん………ごめん、なさい………っ」
「謝るな。もう過ぎたことだ。俺は怒ってもいないし傷付いてもいないんだから」
そう言うとシャンクスは右手で私の頭を自身の胸に引き寄せた
まるで“胸を貸してやる”と言わんばかりに
「ひっう……ぐすっ……うっ………」
ぐしゃりとシャンクスのシャツを握った
暫く私の涙は止まらなかった
小さい子の様にしゃくりあげて泣いた
シャンクスはただ黙って私の頭をポンポンと優しく叩いた
まるで小さな子供をあやすかのように__
大きいシャンクスの掌は、とても温かった
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