第22話 ページ23
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時は遡り。酒場ではフーシャ村で過ごしてた時と似たような風景が広がっていた
そういえばあの時もこんな感じで騒いで、ルフィのやつがよく海賊になりたいと言っていたなぁ
酒を片手に12年前の事を思い出す
ルフィは幼く、小さくて泣き虫な子供だった
だが誰よりも友達思いな奴で
ふと左手に視線を落とす
(…無くして12年か)
2年前、ルフィは海に出て仲間をつくり、沢山の冒険をした
深い傷も負った
だが現在、彼の名を知らぬ海賊はいない程に
「早いもんだな」
自然と口角が上がる
楽しみがあるというのは本当に良いことだ
(…アイツも居れば、もしくは)
ふと蘇るあの島での最後の姿
歌が大好きな俺たちの娘
「なんだ、思い出しでもしてるのか」
ふと横を見ればベックマンが酒を片手にバーカウンターに腰掛けていた
「そうだな」
まだ痛みが消えた訳では無い。それはみんなそうなんだろう
だからこそ“あの娘”が現れた時
“生まれ変わり”かもしれないと思ったのだ
あの娘を船に乗せるのに抵抗はなかった
そもそもあの島は人1人居ない無人島だった、放っておけば死んでいたかもしれない。或いは海軍にでも拾われていただろうか
酒場全体を見渡せば、音彩が居ないことに気づく
「?…音彩はどこへ行ったんだ?」
「そういえば見てないな。途中までは一緒にいたが」
何も起きない。この島で不穏な事が起きることはないだろう
だが。わかってはいるが
1度身に染みた“親”という感覚はそう簡単に消えることはなく
「少し出てくる」
酒場を出て、足は彼女のいるほうへと進んでいた
人混みの中、音彩の姿が見えた。特徴的な髪は簡単に見つけられた
(ん…?)
誰かといる?
相手は男だった。その男に腕を掴まれている
「……ん?」
不思議とザワつくものを感じた。男からは敵意を感じるものはないが…
これは…そういう事だろうか
世の父親は娘に彼氏が出来ると複雑だと聞くが
そういう年頃だったな
そう納得し、静かにその場を去った
「いやいやいやそんなんじゃないってば」
現在、酒場に帰ってきた途端質問攻めをされています
「本当かぁ?俺は見たぞ?」
「いや。確かに私の世界の知り合いに似ていたけれど。けどそれ以上は何もないって」
そう。シャンクスがたまたま私とキールを目撃していたらしい
別にここまでなら問題ない。そう問題は
問題なのは
「こんな時間までか?」
と腕組みをしながらベンさん
うーーーーん??ピンチ???
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