32:加茂と慶光院 ページ26
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野球道具を全て片付け終えてから一度教室に向かうために夕陽が差し込む廊下を急ぎ足で渡る。
2回裏で虎杖くんが打ったホームラン以降は特に点数が入るようなこともなく、2日目団体戦は東京校の勝ちで終わった。
まぁホームラン打ちそうになっても西宮先輩が取っちゃうし、それ以外の実力はほぼ互角。みんな訓練してるから運動できる人同時で戦っても打って、取って、の繰り返しでそりゃ点数なんて入らないかって感じだった。
ただ交流戦だし、個人個人で戦ってバチバチするよりは仲良くなれたんじゃないかな。
最初に比べてみんなかなり仲良くなれたなって思いながらふふっと微笑んだ私の視界に廊下の壁に寄りかかる加茂さんの姿が映った。
「あれ、加茂さん？」
「やっと来たな。少し話をしないかい？」
「話……ですか？」
交流会は野球試合が終わった時点で終了してるし片付けも終わってる。夕方だから話す時間はたっぷりある。そう思い加茂さんと目を合わせてから頷いた。
正直言うとフェロモンに充てられて時間が経ってる人ならまだ扱いに慣れてるけど一昨日充てられた加茂さんの対処法は分からない。
しかも御三家の跡継ぎだし、交流会以外のところで万が一怪我でもさせればって考えると怖い気持ちもある。でも話したいって言う人を拒む勇気の方がない。
「本当に京都校に来るつもりはないかい？」
「……お誘いは嬉しいです。でも、実家から監視可能な京都校には転入したくないんですよね。」
一昨日のせいで疲労が溜まっているせいか、ポロッと本音が漏れて急いで口を塞ぐ。が、時すでに遅し。
驚いた表情で私を見つめる加茂さんから視線を逸らす。
家から離れたいって本音を言うつもりなんてなかった。それなのに疲れてて口が滑ったなんてあほでしかない。
「慶光院家から離れるための手段として東京校に入学を……？」
「いや……まぁ……それだけじゃないんですよ？ちゃんと別の理由もあるんですけど……」
「今の話を私が慶光院家当主に言えば君の処遇はどうなるんだろうか。厳重注意か、それとも連れ戻されるか。」
そう呟いた加茂さんの腕を思い切り掴む。
加茂さんは私が注意されたり実家近くの京都校に強制的に転入させるくらいだろって思ってるのかもしれない。が、私の両親はそんなに甘くない。
最悪退学させられて御三家の中で未婚の人と政略結婚。それだけは避けたい。
だから少しだけ、少しだけ、この大迷惑フェロモンを利用していいよね？
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ゆう - 続き早くみたい！！ (3月19日 14時) (
レス) @page39 id: f37b355590 (このIDを非表示/違反報告)
パンピー - 一気に読みました！！すごく面白くて好きです！もう更新はしてもらえないのでしょうか，，，？続き，楽しみにしてます！ (2月18日 23時) (レス) id: 2630b906e6 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 面白すぎて、一気読みしました！もう続きはないのでしょうか……？ (10月26日 19時) (レス) @page39 id: ba86f2a0b9 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - めっちゃ面白いです！！ これってもう終わりなんですか、、？ (2022年7月19日 22時) (レス) @page34 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - お父さんまだ娘はやらん的な、親バカだといいな。と脳内お花畑が通ります。すっごく面白いです！一日で全部読んじゃいました！。更新待ってます (2022年1月11日 18時) (レス) @page31 id: 7db18ffeeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時：2021年3月21日 17時
