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02:制御と被害 ページ5







なるべく肌を出さないように長袖のジャージを着て急いで硝子さんの元へと向かう。

硝子さんなら解決策が分かるかもしれない。そんな淡い期待を込めて思い切り扉を開いた。



「硝子さん!」
「朝っぱらから元気だね〜」
「フェロモンが勝手に溢れるんですけど!どうにか治してください!」



私の言葉を聞いた硝子さんはじっと、上から下まで舐め回すように私を見つめる。

そして私の期待をぶった切るように「無理だな。」と言った。



「え!?」
「慶光院家のフェロモンは小さい頃から如何に低い呪力で出せるかを鍛えてるって話でしょ?Aのフェロモンの呪力も低いし、反転術式じゃ一部しか抑えきれないよ。」



硝子さんの言う通りうちの家系では元々高い呪力で出せるフェロモンを小さい頃からの訓練で低くても出せるように制御できるようにする。10年以上訓練を続けている私は1割の呪力でフェロモンが出せる。

反転術式は本来マイナスの呪力を掛け合わせることでプラスにすることができる。1割の呪力を抑えたところで9割のフェロモンは漏れ出すってことか。

でも何で急に暴発しちゃったんだろう。



「昨日呪霊の攻撃を受けたって調査書に書いてただろ。それが奇跡的にAの中にあるフェロモンの核を刺激したんだろ。」
「ちなみに対処法とかは……」
「解剖しても良いなら。」



手元のメスに手を添わせながらそう言った硝子さんに「遠慮します。」と答える。

フェロモンの核への刺激、か。

自分でも核があるなんて初めて知ったし刺激することでフェロモンが暴走することも知らなかった。伏黒くんが任務でいなかったことが唯一の救いかも。



「まぁ人との触れ合いを最低限にすること、フェロモンの制御を身につけること、この2点に気を付ければ大丈夫だろうね。」
「でも昨日五条先生がフェロモンに充てられちゃって。」
「あ〜、アイツは無視していいよ。無視無視。」



ひらひらと手を振る硝子さんを残して部屋を出る。

家には一応連絡しとくとして、1年生が1人だからって理由で伏黒くんが戻ってくるまで2年生と合同授業なのが1番の問題点だ。

長袖のジャージと手袋を身に着けて訓練したとしても万が一肌が触れれば先輩のうちの誰かがフェロモンに充てられてしまう。既に五条先生も被害者なのにこれ以上増やしていいんだろうか。

そんな葛藤を抱えながら私は運動場へと足を進めた。

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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_  
作成日時:2021年2月2日 19時

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