17:散々な日 ページ37
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今日は散々な日だ。
虎杖くんの生存を確認してから上機嫌でずっと過ごしてきたツケが回ってきたのかもしれないけど散々な日。
朝寝坊するところから始まって、訓練中に間違えてフェロモンを多く出して狗巻先輩と伏黒くんが睨み合うことになるし、ジャンケンで負けて真希さんの呪具の荷物持ちに任命されちゃうし。
あんなに軽々持ってたからなめてた、私の筋力じゃ重たすぎる。
交流会までにフェロモンの制御と並行して筋トレでも始めようかな。
「交流戦までに筋肉ってそれなりに付くと思いますか?」
「まぁAの場合は付けない方が良くないか?」
「え?」
「身軽さが無くなったら屋根の上飛び回れなくなるんじゃねぇの?」
真希さんの意見に確かに、と感じる。
普段ポンポン屋根の上飛び回ってる身軽さが消えたら先頭スタイルにだって影響するし……
う〜ん、と頭を抱えながら悩んでいると別の場所で訓練をしていたパンダ先輩と狗巻先輩が合流しにやってきた。
「あり?Aだけか?1年ズは?」
「パシった。」
「大丈夫か?」
「3歳児じゃねぇんだ、お遣いくらいできんだろ。」
「いやそうじゃなくて……、今日だろ、京都校の学長が来んの。」
パンダ先輩の発言にハッとした表情をした真希さんと狗巻先輩を交互に見る。
京都校の学長って言ったら1回家の付き合いで挨拶したことはあるけどそんなに警戒するほど強いのかな。
「特級案件に1年派遣の異常事態、悟とバチバチの上層部が仕組んだって話じゃん。京都の学長なんてモロその上層部だろ、鉢合わせでもしたらさぁ……」
「1年2人に攻撃するかも、ってことですか……!?」
「安心しろ、ターゲットだった1年……虎杖は死んでんだ。恵達を今更どうこうするつもりもねぇだろ。京都のジジイだって表立って騒ぎは起こさねぇって。」
真希さんはそう言って私の頭に手を乗せて笑う。
でも今日は朝から散々な日で……胸がどうしてもざわついてしまう。
「教員は立場があるけど生徒はそうでもないよな。」
「……来てるって言うのか、真依が。」
「憶測だよ。打ち合わせに生徒は関係ないからな。でもなぁ……アイツら嫌がらせ大好きじゃん、東堂と真依。」
パンダ先輩の口から漏れた名前に耳を疑う。
真依さんは真希さんの双子の妹だし禪院家の人間だから会ったことはあるけど東堂って言えば新宿京都百鬼夜行の時に術式を使わずに戦ったって言う……。
最悪の状況を想定して冷や汗が頬を伝った。
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年2月2日 19時