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朝起きて目の前にいたのはいつも隣においてるクマのぬいぐるみ。じゃなくて無駄に綺麗な顔をした五条先生だった。
急いで起き上がって自分の服が乱れてないかを確認する。服は着てるし腰が痛いわけでもない。五条先生もただ寝てるだけ。
ほっと溜息を吐いて、気持ち良さげに寝ている五条先生の頭に思い切り拳を叩き込んだ。
「……ってぇ」
「不法侵入どころの騒ぎじゃないですよ。何してるんですか。」
「好きな子と一緒に寝たくて来ちゃった♡」
甘ったるい声でそう言う五条先生の頭を再び殴る。
この人まさかまだ昨日のフェロモンに充てられたままなんじゃないかって不安しかない。
「まだフェロモンに充てられてるんですか。五条先生くらいの呪術師ならすぐに解けるでしょ。」
「フェロモンとかじゃないよ、本当に好きになっちゃった。」
「いつから?」
「昨日の夜かな。」
それをフェロモンに充てられたって言うんだよ、と頭の中でツッコみながら乾いた笑いを零す。
人に効果があるって言ってもあんなに濃いフェロモンを直接触れて流し込んだ事なんてないから効果の切れ目が分からない。
授業前に硝子さんに相談するのが良さげだ。
とりあえずこの不法侵入バカをどうにか追い出して着替えないといけないけど、この人一応めちゃくちゃ強い人だし言う事とか聞いてくれるのかな。
「着替えたいんで出てってもらっていいですか?」
「あ、目の前で着替えていいよ、僕全然気にしないから。」
「私が気にするんですよ!」
駄々をこねる子供みたいな五条先生の手を引っ張って部屋から追い出そうとした時、またフェロモンが勝手に溢れて五条先生に伝わる。
危険を感じて急いで五条先生を蹴り飛ばして部屋の鍵をかけてからその場にしゃがみこんだ。
今まで出来てたフェロモンの制御ができない。いや、多分違う。
「フェロモンが強まってる……?」
制御出来るからって油断していた。
勝手に漏れ出すフェロモン、解決策のない現状、フェロモンに充てられた先生、これから増えそうな被害者。
最悪の事態を想像して顔がどんどん青ざめていく。
人間に効果が薄いフェロモンだったからこそ安全だったのにかってに漏れ出す事態になるなんて。
フェロモンの暴発なんて考えてもみなかった。
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年2月2日 19時