君のいない街

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"もしかしたら時間がもうないかもしれない"


"急変することも考えられる"


耳を塞ぎたくなる言葉が聞こえてきた。


心の中で何度も君の名前を呼ぶ。


祈ることしかできなかった。


・


病室をカラフルに彩る、所々に飾られたライト。


暗くして、テーマパークらしい小物も用意した。


その真ん中で眠る大ちゃん。


慧「大ちゃん、ほら見て。パレードみたいでしょ？」


雄也「本物とは比べ物にもならないけどさ、頑張って準備したんだ。」


一方的な会話が病室内に響く。



泣きたくなる気持ちをグッと堪える。




「きれ…だね…」


雄也「有岡くん？！」


慧「大ちゃん！」


「ほんものより…ずっといい…」


慧「うんっ…」


視線をあちらこちらに向け、ふわふわとした意識の中頑張って話してくれている。


大貴「みれて、よかった…いのちゃんと…たかきと…」


握った手を弱々しくも握り返してくれる。



大貴「わたしたぬいぐるみ…大切にしてね…」


慧「うん、するよ。絶対大切にする」


大貴「たかきも、ね」


雄也「おう」


それから俺たちは出会ってからの思い出を何時間もかけて語った。


笑って、たくさん笑った。


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その日の夜。


大ちゃんは息を引き取った。

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