08:山吹は鏡の■■を守りたかった ページ6
別段あいつは、兄弟でも幼馴染みでもない。
だけれども、軍学校で知り合ってから何かあった訳ではなかったが一緒にいた。
そのまま同じ戦場に立つ程には、一緒にいた。
真面目なくせに不真面目に見られがちな彼を庇った回数はもう数え切れないほどだ。
だからあの時、俺たちの運命が変わったあの時も。
あいつは戦場の喧騒から少し離れた塹壕の中で倒れていた。
傍らでは消し炭になった仲間と、その中でやけに浮いていた安らかな顔で眠る敵軍の軍人が横たわっていて。
その中で、あいつは荒い息を吐いて蹲っていた。
岩本｢ふっか！｣
いの一番に飛び込んできたのは、今までの彼とは決定的に違うある箇所。
岩本｢お前…どうしたその目！｣
普通の人では滅多にない紫煙を象ったような色に、新手の化学兵器にやられたのかと動揺したものだ。
深澤｢いい……いい、から…｣
そのまま気を失ったあいつに、自分は兎にも角にもベースに連れて帰らないと、その一心で彼を背負って走り出した。
｢不思議な力｣なんて都合よく言ったものだ。
彼は｢呪い｣をかけられた。人1人に背負わせるなら重すぎる9つの｢呪い｣を、背負わされた。
｢不死の呪い｣──ネックレスでも押さえ込める事の出来ないそれは、彼の瞳の色を根本から変えてしまう。
今となっては、元の色も思い出せない。
その｢瞳｣のせいで周りから嫌煙されるようになった彼の傍にずっといたのも自分だった。
どうにかして彼の負担を減らしたかった。
元々信じていなかったオカルトを、必死になって調べた。
そうして幾年の歳月が過ぎた。
そんなある日、深澤が新設される小部隊の総監督に選ばれた、と聞いた。
それも｢小部隊の総監督｣とは名ばかりで、実際は深澤を遠ざける為に当時の上層部が決めたものだ。
岩本は、彼に着いていくと決めた。
深澤｢…本当にいいの？絶対出世コースから外れるよ｣
岩本｢興味ねぇよそんなの｣
遠ざけるなら見返してやれ！
2人で様々な戦場に立った。
死ぬ事はおろか怪我をする事もなくなった彼は、幾度も岩本を守ろうとした。
それが嫌で自分も実力を着けるようになった。
そうして、気が付けば同じ部隊の仲間が出来た。
正反対の義兄弟と、運命共同体の幼馴染み。
6人になって暫く経った時に、思いついた。
｢あの｢呪い｣を、肩代わりしたらいいんじゃないか｣
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みさこ(プロフ) - ダテ様の「ラウールは預かったメール来た」のセリフ好きです (2020年11月14日 5時) (
レス) id: 96340430ed (このIDを非表示/違反報告)
翔(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございます！とても楽しく読ませていただきました！これからも頑張って下さい！ (2020年2月13日 11時) (レス) id: 25ea824704 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんたぬお(；´_ゝ`)(プロフ) - 本当に好きな作品で夜寝る前の日課になっています笑 差し支えなければリクエストの方をさせて頂きたいのですが、緑さんの力が暴走して、兄のことは覚えているのに自分がS隊であること、そしてS隊の皆のことを一時的に忘れてしまう、みたいなお話が見てみたいです…！ (2020年2月12日 22時) (レス) id: e589be5cc6 (このIDを非表示/違反報告)
はら(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いています！リクエストさせて頂きたいのですが、康二が弱ってたりピンチな所を助けるようなお話が読みたいです。目黒が特に康二に優しかったり必死だったらとても嬉しいです、、、。宜しくお願い致します。 (2020年2月12日 22時) (レス) id: 4b0a14856e (このIDを非表示/違反報告)
いちごみかん。(プロフ) - はじめまして！リクエスト失礼します！今回の涼太くんの話見てて、流行り病の時のゆり組の話がみたくなりました！笑お願いします！これからもがんばってください！ (2020年2月11日 22時) (レス) id: bb0523e0f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年2月5日 22時
