＊ ページ16
別に｢昔｣の事を思い出すのは不思議な事ではない。
ただ、フラッシュバックしたそれに、多大なる違和感が生まれた。
｢呪い｣を肩代わりして、1番最初の任務だ。佐久間が阿部の事を庇って、それで大怪我を負って、何で庇ったのかがわからなくて、医務室で目を覚ました佐久間と大喧嘩して、それで、
違う、その事自体におかしな事はない。
ただ、
阿部｢……にい、ちゃん…？｣
ラウール｢え？｣
渡辺｢阿部…！？｣
｢何で俺なんか庇うの兄ちゃんの馬鹿！｣
という、自分の台詞に引っかかる。
｢兄ちゃん｣とは何だ、別の記憶？
違う、いや、違う、はず？確信的に言った記憶が浮上している。
酔っている頭だから変な勘違いをしているのか？
いや、違う、違う違う、佐久間は確かに、兄だ。兄だった、なんで、何で？忘れている？
阿部｢………あやまら、なきゃ｣
フラフラとしながら食堂を出ていった彼の姿を見て、ラウールは頭に疑問符を浮かべ、渡辺は信じられない、といった顔をしている。
ラウール｢…今日はあべちゃん随分素直だね｣
渡辺｢……｣
ラウール｢しょっぴー？｣
渡辺｢涼太！大至急阿部と佐久間以外の面子情報室に集めて！後佐久間の部屋の音拾って！｣
宮舘『どうした急に』
渡辺｢後で話すから！｣
ラウール｢えっ、何！？どうしたの！？｣
渡辺｢ごめんラウール、ちゃんと後で話すから、とりあえず情報室に着いてきて！｣
＊
頭がふわふわとしている。でも、これだけは零れ落としたくなかった。
お酒が大分回っているようで足元も少し覚束無い、でも、行かないといけなかった。
謝らないと、あの時庇ってくれたのに、責めちゃった事、謝らないと。
ただその一心で足を進めた。
ノックをすると、中から｢はーい｣という呑気な声が聞こえてきた。
そのまま入ると、佐久間は一瞬驚いた後にムッ、とした顔になり
佐久間｢…何、どうしたの｣
と不機嫌そうな声で言う。
阿部｢……ごめん。……ごめん、なさい｣
微かに声が震えているのがわかった。
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みさこ(プロフ) - ダテ様の「ラウールは預かったメール来た」のセリフ好きです (2020年11月14日 5時) (
レス) id: 96340430ed (このIDを非表示/違反報告)
翔(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございます！とても楽しく読ませていただきました！これからも頑張って下さい！ (2020年2月13日 11時) (レス) id: 25ea824704 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんたぬお(；´_ゝ`)(プロフ) - 本当に好きな作品で夜寝る前の日課になっています笑 差し支えなければリクエストの方をさせて頂きたいのですが、緑さんの力が暴走して、兄のことは覚えているのに自分がS隊であること、そしてS隊の皆のことを一時的に忘れてしまう、みたいなお話が見てみたいです…！ (2020年2月12日 22時) (レス) id: e589be5cc6 (このIDを非表示/違反報告)
はら(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いています！リクエストさせて頂きたいのですが、康二が弱ってたりピンチな所を助けるようなお話が読みたいです。目黒が特に康二に優しかったり必死だったらとても嬉しいです、、、。宜しくお願い致します。 (2020年2月12日 22時) (レス) id: 4b0a14856e (このIDを非表示/違反報告)
いちごみかん。(プロフ) - はじめまして！リクエスト失礼します！今回の涼太くんの話見てて、流行り病の時のゆり組の話がみたくなりました！笑お願いします！これからもがんばってください！ (2020年2月11日 22時) (レス) id: bb0523e0f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年2月5日 22時
