＊ ページ13
岩本｢出掛ける時は一言言えって言っただろ！｣
深澤｢ごめんごめん｣
岩本｢…やっぱりここにいたか｣
あの件以来妙に信心深くなった岩本だ。
きちんと慰霊碑に手を合わせると、深澤の方に向き直る。
岩本｢いつまで罪悪感引きずってるの｣
深澤｢そんな事ないよ｣
岩本｢じゃあ何でここに来た｣
深澤｢…ちょっとね｣
岩本｢…ほら、帰ろう。みんな心配してる｣
深澤｢ごめんね｣
岩本｢それは他の奴らに言え。…あー、こちら岩本、ふっか連れて帰るから後で1発みんな殴っていいよ｣
無線の奥から｢いぇーい！｣｢ふっかさんのバカー！｣なんて声が漏れ出ている。
岩本｢うるさっ！｣
深澤｢ごめんちょっと待って！？｣
岩本｢それくらいの事してるんだよ総監督｣
深澤｢いやそれは本当申し訳ないとは思ってはいるんですがそれは…｣
岩本｢それか今ここで俺の本気のパンチ受けるか｣
深澤｢ｱｯ、みんなに殴られますはい｣
岩本｢行くぞ｣
深澤は、最後にもう1度慰霊碑の方を向いた。
『あれは、｢自分自身｣の決別の夢だ』
昨日最後に、男が唯一口にした｢ありがとう｣という単語。
それで、自分も、吹っ切れようとしたのだ。
いつぞや過去と決別した夕陽のように。
だから、きっともうここには来ない。
恩返しはこれからどんどん行っていけばいい。
とうの昔から始まっている事だ。
だから
深澤｢…ありがとうね｣
岩本｢？…どうしたの。急に｣
深澤｢こういう時は素直に受け入れるんだよ｣
岩本｢意味わかんねぇよ｣
忌々しい｢呪い｣の成れの果て。
見届けてやろうじゃないか、数十年後に、仲間が寿命で死んだその時に。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1001人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みさこ(プロフ) - ダテ様の「ラウールは預かったメール来た」のセリフ好きです (2020年11月14日 5時) (
レス) id: 96340430ed (このIDを非表示/違反報告)
翔(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございます！とても楽しく読ませていただきました！これからも頑張って下さい！ (2020年2月13日 11時) (レス) id: 25ea824704 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんたぬお(；´_ゝ`)(プロフ) - 本当に好きな作品で夜寝る前の日課になっています笑 差し支えなければリクエストの方をさせて頂きたいのですが、緑さんの力が暴走して、兄のことは覚えているのに自分がS隊であること、そしてS隊の皆のことを一時的に忘れてしまう、みたいなお話が見てみたいです…！ (2020年2月12日 22時) (レス) id: e589be5cc6 (このIDを非表示/違反報告)
はら(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いています！リクエストさせて頂きたいのですが、康二が弱ってたりピンチな所を助けるようなお話が読みたいです。目黒が特に康二に優しかったり必死だったらとても嬉しいです、、、。宜しくお願い致します。 (2020年2月12日 22時) (レス) id: 4b0a14856e (このIDを非表示/違反報告)
いちごみかん。(プロフ) - はじめまして！リクエスト失礼します！今回の涼太くんの話見てて、流行り病の時のゆり組の話がみたくなりました！笑お願いします！これからもがんばってください！ (2020年2月11日 22時) (レス) id: bb0523e0f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：湊都 | 作成日時：2020年2月5日 22時
