Freiheit IV (ページ43)

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佐久間｢…｣
アルバムを眺めながら、黄昏ていた。
もうこうやって2人であんな言葉を交わしながら戦場に立つ事はないんだろうなぁ。
そんな干渉に浸り、金平糖を口に含む。

少し散らかった部屋の、伏せられた写真立てが目に入った。
ふとあげてみると、15.6の時の写真だ。阿部と佐久間2人で、家族旅行に行った時の写真。
佐久間｢…あー｣
そろそろ、これもアルバムに仕舞っておこうか。
女々しい彼女みたいにいつまでも飾っておく訳にはいかない。

今、佐久間大介と阿部亮平は、シンメなのだから。
｢バディ｣ではあるが、｢兄弟｣ではないのだから。
写真をアルバムに入れ、この前康二が撮ってくれた凱旋パレードの時の写真を入れる。
…昔、キラキラ輝いて見えていた軍人さんに、なってるんだもんなぁ。
もうここに所属して大分経っているというのに未だにそんな事を考えてしまう。

空にキラキラ舞う紙吹雪と、沢山の人の笑顔。
そういえば亮平もあれ見て静かに目を輝かせていたなぁ。…覚えてないか。そうだよね。
佐久間｢…何かしんみりしちゃったなぁ｣
駄目だ駄目だ、と自分を誤魔化すように掃除を始める。
要らない本や服をちゃんとまとめて。

佐久間｢…｣
アルバムは、本棚の1番下の端に詰め込んだ。
流石に、これは捨てられなかった。
よし、と1つ声を零すと、少し綺麗になった部屋を見て得意げに笑い、
金平糖を一気に5つ、口の中に放り込んでベットに身を投げた。

妙に、センチメンタルな気分になってしまった休日だった。
ご飯の時に向井に熱がないか心配されたぐらいだ。
佐久間｢お部屋の片付けしてただけですー｣
深澤｢ロリコン｣
佐久間｢うるせぇ！｣
無駄に軽口を叩けば、またやれやれ、といった様子の阿部が見える。
よーし、今日も大丈夫だ。
そう心の中で呟き、深澤への復讐として思い切り足を蹴っ飛ばしてやった。