Freiheit IV (ページ37)

今日:30 hit、昨日:43 hit、合計:466,853 hit

＊ページ37

例の一件から4日経った後。
2人は天井裏で待ち合わせをしていた。
目黒の手元にはボイスレコーダーとローマ字表、そしてノートパソコン。
少し1つおかしな物が混じっているが、それは置いておくとして。

音も立てずに目黒の隣に現れた向井に、目黒は1発で理解した。
アサシンの時の精神状態にいる。
目黒｢康二、戻っておいで｣
向井｢…………ん、あー…もう、ええ？｣
目黒｢いいよ。後は俺らで暴れ散らかすだけだし｣
向井｢もぉぉぉ疲れたもぉぉぉん｣
目黒｢静かにしてよ馬鹿｣

2人はお互いが集めた情報を見せ合う。
これだけ集まれば十分だろう。A隊の隊長も隠してはいたが、何分潜入捜査員と元アサシンである。
向井が既に書面に起こしてα国の王城には送っている。
では、今から何をしに行くかと問われれば。

目黒｢じゃあやりますか。王城突入｣
向井｢人は殺さない、殺さない…｣
目黒｢そう。殺さない。気を失わせる。OK？｣
向井｢どないしよ。反射で殺してまうかもしれん｣
目黒｢アサシン康二は今はちょっとおねんねしてて｣
そう、王城への直談判である。
またの名を、A隊隊長をおびき寄せる罠とも言う。

1度裏ルートから外へ出れば、騒ぎ立てるように向井の身柄を探す者が声を上げた。
目黒『俺が裏から色んな細工しておくから、ちゃんと無線の音聞いててよ』
向井｢ん、始めよか。影が夕日に溶ける頃や｣
さて、そうして走り出した向井は、他の者の追随をものともせず、王城へと侵入した。

2人だけの暗号は、充分頭に入っている。
さぁ、光と影の救出作戦の始まりだ。