Freiheit IV (ページ15)

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Rc21:外交の際には仮面をお忘れなくページ15

(ON 様リク)

非常に、困った事になった。
｢いやはや、やはりα国にも優秀な人材の方がいらっしゃったようですな！｣
｢ええ、彼は現場指揮及び他国との情報戦に関して我が国随一の力を誇るものでして｣
｢それはもう、この前の会談で充分にわかった事ですよ！だからこそこのお願いを引き受けて頂きたいのです、阿部外交官｣

α国王城内、応接間。
急に呼び出され、向かってみればこれである。
目の前にはα国の王と、最近不可侵条約を結んだという友好国のΛ国の王がいた。
話の内容に、困惑したのである。
｢いかがです？阿部外交官、私共の軍の方へという提案、悪くない話だとは思いますが｣

確かに前回Λ国に外交に行く際に、Λの情報は呪いを使ってひとしきり揃えた。
会談の時もきちんと表面上の笑顔を取り繕った。
何分、Δ国と全面戦争になっている今、Λ国と友好国になるのはかなりのメリットがあったからだ。
事実、それは成功して不可侵条約を結んだ、ああそれはいい。
…まさか、ここまで評価を得れるとは、思ってもいなかった。

｢いやいや、君がΛの方へ行ってくれるなんて我が国としてもとても光栄だ。…確か、君の所属はあのS隊だったかな？｣
阿部｢しかし今のS隊での｣
｢ああいや、君の言いたい事もわかるさ。だから先程Λ国王とも話していたんだが…暫くお試しという形で、というのはどうかな？｣
阿部｢…と言いますと？｣
｢1ヶ月、お試しでΛ国の方へ行ってもらう。…君の活躍次第では、S隊の待遇向上にも繋がる。…君にとって悪い話ではないはずだろう？｣

そう言うα国国王の目はハッキリ言おう、笑っていなかった。
これまで多くの外交に行ってきた阿部にはわかっていた。
この提案を受け入れて本当にS隊の待遇が上がるかはわからない。しかしこれを断れば、間違いなくS隊の待遇…もしかするとメンバーに何かしらの危害が起こりえる。

阿部｢…そちらのご提案、まずはお試し、という形でよろしければ、享受させて頂きます｣
｢君ならそう言ってくれると思っていたよ｣
｢それじゃあ早速、我が国の案内を致そう。それではこれで｣