Freiheit IV (ページ11)

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向井｢佐久間くーーーん！！！！！！｣
岩本｢うるせえもうちょっと静かにしろ｣
バーン！と勢いよく開かれたドアと共に、最初に来たのは近接組だった。
次に渡辺、ラウール、宮舘が来て、深澤がニコニコしながら入ってくる。

向井｢あれ？めめは？｣
深澤｢…めめ。降りておいで｣
そう深澤が天井に向かって声をかけると、通気口からガコッ、と音がして、天井から目黒が顔を覗かせた。
深澤｢何気、あべちゃんの次に佐久間の事気にしてたんだよ｣
目黒｢…ごめん｣
佐久間｢何でめめが、謝るのさ｣
目黒｢…だって、爆弾気付いてたのに｣
佐久間｢気にすんなよー…生きてるんだから｣

宮舘｢本当、肝が冷えたよね｣
渡辺｢暫く食堂がお通夜モードだった｣
岩本｢お前、まだ動くなよ。傷口開くから｣
ラウール｢佐久間くん、何かして欲しい事ある？｣
佐久間｢…おなか、すいたなぁ｣
宮舘｢じゃあ作ってくる。何食いたい？｣
佐久間｢……肉かなぁ｣
渡辺｢それ怪我人が言うリクエストか？｣
宮舘｢肉ね、いいよ｣
ラウール｢僕もお手伝いする！｣
向井｢俺もー！｣
渡辺｢肉だったらPARTY TIMEしてよ｣
佐久間｢え…俺も見たい｣
渡辺｢じゃあ端末に後で動画送ってやる｣

ゾロゾロと部屋から出て行った面々に、部屋に残ったのは深澤、岩本、阿部と天井の目黒となった。
佐久間｢…元気だね｣
岩本｢お前が寝てる間はここも静かだったけどな｣
深澤｢…あれ、あべちゃんまだ泣いてるの？｣
阿部｢…泣いてないよ｣
深澤｢めめも。いつまで泣いてるの｣
ガコン！と音がして通気口が閉められた。彼なりの照れ隠しなのだろう。

岩本｢…とにかく。無事でよかった｣
深澤｢要塞はあの後何とか攻め落とした。今はこっちが少し優勢｣
佐久間｢そう、落とせたんだ…よかったぁ…｣
阿部｢…馬鹿、無茶しないでよ。本当…｣
佐久間｢…ごめんね｣
岩本｢……じゃあ俺も戻るわ｣
深澤｢俺もー。舘さんのPARTY TIME見てこないと｣
岩本と深澤が、気を利かせたのか出ていった。
部屋に2人きりで残された阿部に、佐久間はいつもの調子で声をかける。

佐久間｢…あべちゃん｣
阿部｢ん…？｣
佐久間｢おはよ｣
阿部｢…おそようだよ、馬鹿｣
そう言って、2人でふふ、と笑う。
夕焼けの光が窓から差し込んでいた。成程、確かにこれは｢おそよう｣だ。
なんて。

どこからか、窓を開けていないのに優しい風が吹いた、気がした。