* ページ28
スポットライトに照らされたように踊る向井の裏で、影に隠れそれでも存在証明をするように目黒は舞う。
末っ子の目にはどう映っているのだろう。
グランギニョール、向井に前聞いた言葉が頭を過ぎる。あぁ、確かにこれは滅茶苦茶な「舞台」だ。
でも、目黒はこういう世界しか知らない。
全てが終わって、「観客」がラウールしかいなくなった。
向井がネックレスを着けたのと同時に目黒も影から顔を出し、ラウールの元に近付く。
ラウール「……」
彼は何も言わぬまま、泣きそうな顔で廊下を引き返した。
向井「ラウール!?」
慌てて後を追いかけるも、一瞬で姿を見失ってしまう。
目黒「…刺激が、強すぎた…?」
向井「どこ行っちゃったんやろ、ラウール……っ!?」
足に力を入れたつもりが、想像以上に疲弊していたらしく倒れそうになる。
目黒「…無茶しすぎなんだよ、また照くんに怒られるぞ」
咄嗟に目黒が腕を掴んでくれたおかげで転倒は回避されたが、危うく無駄な怪我を負うところだった。
…よく見ると、至る所に怪我をしていた。
アドレナリンのおかげで感じていなかったようだ。
目黒「康二、どうする?基地戻る?」
向井「…流石に、そこまでヤワな真似せーへんよ」
目黒「…そ。死にそうになったら言ってね」
ここで止めてもきっと彼は聞かないだろう。目黒は向井に肩を貸すと、ラウールを追って歩き始めた。
*
目黒「…みんなからよく聞く白衣?は俺は見なかったよ。まあでも、何か関係ありそうだよね」
深澤「うーん…」
目黒「Δ国とは関係ありそうなの?」
深澤「それすらもわかんない。本当にあの時みんながわかった事しか、手がかりがないんだよね」
目黒「ふーん…ま、何か潜入して欲しい事があったら言ってよ」
深澤「うん、ありがとう」
1人だけになった部屋で、深澤は聞いた事を紙にまとめた。
嫌な予感を引きずったまま、願わくばもう手出しをされないようにという淡い希望を抱きながら、まとめた紙を重要ファイルに入れ、1つ溜息をこぼした。
1022人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凌央(プロフ) - 湊都さん» とんでもないです!楽しみにしていますね! (2020年2月21日 16時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - 凌央さん» 誠に申し訳ございません…。31個目なのでリクエストお受けする事が出来ないです。けど、リクエスト内容と淩央様のお気持ちを加味して、他の方のリクエストの時に少し挟めるよう尽力致します。このような形で申し訳ございません。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
凌央(プロフ) - はじめまして。更新お疲れ様です。初リクエストで緊張しています。可能でしたら、それぞれの入団試験話を読みたいです。是非よろしくお願いします。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - はじめまして。いつも更新を楽しみにしています。リクエスト可能でしたら、S隊みんなで野外訓練しつつキャンプを楽しむような話が読んでみたいです。よろしくお願い致します。 (2020年2月20日 21時) (レス) id: da0f7ba994 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 文字数関係で連投になってしまい申し訳ありません。無理でしたらもちろんスルーして構いません。お忙しいと思いますがよろしくお願い致します。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 4ea8c2cdf9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:湊都 | 作成日時:2020年2月13日 9時