Rc13:客席向こうのグランギニョール ページ26
(ひー。さんリク)
機械仕掛けの様な敵は、ただただ台本に準えるような動きで「主役」を追い詰める。
「主役」はただただ短剣を振る他ない、台本通りに進めようとしても、アドリブを入れようとしても、「相手役」がこちらを見てくれないと、入れられない。
きっとこれが本当の「舞台」なら、今頃酷いブーイングと共に色んな物が投げつけられているだろう。
向井「なんなん、なんなんこいつら…!」
インカムからは敵が全然いない、だとかいう声が聞こえる。
ほとんどの敵がこちらに偏っているのだろうか。
殺しても殺しても減る様子のない敵に、向井は苛立ちの声をあげる。
阿部『こちら3階S方向!ラウールが敵に何かされた!今敵味方の区別ついてない!気をつけて!』
そんな阿部の声がインカムから流れてくる。
早くここの始末をして、ラウールを助けに行かなきゃ、そう思いながら短剣を振るう。
向井「…ラウール!」
ふと、視線の奥に見慣れた姿を捉えた。
少し虚ろな目で、向井を見ている。
ふと、先程阿部が「敵味方の区別がついていない」と言っていたのを思い出した。
助けなきゃ、真っ先に浮かんだのはその考えだった。
敵を薙ぎ払う様に斬っていき、ラウールの前まで足を進める。
向けられたレイピアの刃先に驚いたが、敵味方の区別がついていないというのなら仕方がない、と何とか気を確かに持った。
向井「ラウール、ラウール、戻ってきて、ねぇ!」
背後から敵がラウール諸共始末しようと襲いかかってくる。
前方後方どちらからもの敵を倒さないと…いや、ラウールは気を失わせないといけない。
敵の方に気が逸れた、その時だった。
ラウール「…ぅっ…」
敵の1人がラウールの右肩を斬りあげた。
既にいっぱいいっぱいだった向井に、その行動はトリガーになりうるものだった。
調律を合わさない「端役」はいらない。
それならば、この「舞台」を1人で舞ってやる。
向井「…イッツ、ショーターイム…!」
開演ブザー、幕よ上がれ!
芝居がかった口調と振る舞いで、向井はネックレスを外した。
──芝居を行う際には、どうぞ
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凌央(プロフ) - 湊都さん» とんでもないです!楽しみにしていますね! (2020年2月21日 16時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - 凌央さん» 誠に申し訳ございません…。31個目なのでリクエストお受けする事が出来ないです。けど、リクエスト内容と淩央様のお気持ちを加味して、他の方のリクエストの時に少し挟めるよう尽力致します。このような形で申し訳ございません。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
凌央(プロフ) - はじめまして。更新お疲れ様です。初リクエストで緊張しています。可能でしたら、それぞれの入団試験話を読みたいです。是非よろしくお願いします。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - はじめまして。いつも更新を楽しみにしています。リクエスト可能でしたら、S隊みんなで野外訓練しつつキャンプを楽しむような話が読んでみたいです。よろしくお願い致します。 (2020年2月20日 21時) (レス) id: da0f7ba994 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 文字数関係で連投になってしまい申し訳ありません。無理でしたらもちろんスルーして構いません。お忙しいと思いますがよろしくお願い致します。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 4ea8c2cdf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湊都 | 作成日時:2020年2月13日 9時