検索窓
今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:469,118 hit

ページ20

1番最初に駆けつけた阿部も、当の本人であったラウールも、その後の事はほとんど覚えていないらしい。
ただラウールは、岩本のとても痛い頭突きと
「ラウール!何唆されたかわかんねぇけど…俺たちは、いつまでもお前の家族だ!」
という言葉だけは、とても強く残っている、と話した。

ラウール「…その岩本くんの言葉の後は、壁にもたれかかってて。…胸ポケットに、岩本くんのネックレスがあって、それで、岩本くんを探したの」
深澤の部屋に呼び出されたラウールは、意識が明瞭としたところからまた話を始めた。
彼は何も言わず、ただいつもの優しい顔でラウールの話を聞いていた。



きっと自分を引き戻してくれたのは岩本だ。
動揺と、迷いと、甘い囁きに釣られて武器を向けた自分を、傷付ける事なく戻してくれたのは、岩本だ。
このネックレスは、戻ってくると信じて自分に託してくれたのだろう。

その組織の中を走る。先程と違って、ところどころ破損箇所が表れだした建物の中で、ただ懸命に岩本の姿を探していた。
4階の廊下に彼はいた。血塗れで、もたれかかっていた。
「岩本くん!」
彼の山吹色の瞳は見えず、呼吸も浅い。
何とか、自分よりガタイの大きい岩本を背負い、建物の中を進む。

ラウール「誰か、助けて…岩本くんが…」
目黒『ラウール、正気に戻ったの』
ラウール「…ごめんなさい…」
目黒『後で話は聞くから。入口まで来れる?俺も康二背負ってて』
宮舘『目黒、入口にいるんだな?そのままそこで合流しよう』
ラウール「舘さん!無事だったんだ!」
渡辺『阿部は佐久間に連れ帰られてる、後残ってるのは俺たちだけみたい。全員入口で合流で、厳戒態勢は続けてて』



ラウール「…後は、基地に帰ってきてからの行動、です」
深澤「そっか。…よく話してくれたね」
ラウール「…ふっかさん…僕…」
深澤「…ごめんね。そうだな、ちゃんとした真実を話そっか。…確かに俺と照はα国の軍の人を殺した。俺たちを潰そうとする、独自の一派が出てきてね、それで」
ラウール「え…でも」
深澤「ラウールの「呪い」はね、嘘がわかる。でもだからといって、それが「真実」だとは限らないんだよ」

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (362 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1022人がお気に入り
設定タグ:Snowman , ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

凌央(プロフ) - 湊都さん» とんでもないです!楽しみにしていますね! (2020年2月21日 16時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - 凌央さん» 誠に申し訳ございません…。31個目なのでリクエストお受けする事が出来ないです。けど、リクエスト内容と淩央様のお気持ちを加味して、他の方のリクエストの時に少し挟めるよう尽力致します。このような形で申し訳ございません。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
凌央(プロフ) - はじめまして。更新お疲れ様です。初リクエストで緊張しています。可能でしたら、それぞれの入団試験話を読みたいです。是非よろしくお願いします。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - はじめまして。いつも更新を楽しみにしています。リクエスト可能でしたら、S隊みんなで野外訓練しつつキャンプを楽しむような話が読んでみたいです。よろしくお願い致します。 (2020年2月20日 21時) (レス) id: da0f7ba994 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 文字数関係で連投になってしまい申し訳ありません。無理でしたらもちろんスルーして構いません。お忙しいと思いますがよろしくお願い致します。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 4ea8c2cdf9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:湊都 | 作成日時:2020年2月13日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。