Freiheit ��

＊ ページ5

宮舘『翔太！大丈夫か！？』
渡辺｢どっかの誰かさんが大声で叫ぶからバレたじゃねーかよ康二！！｣
向井『えっ、俺！？』
岩本『翔太、今から康二向かわせるけど、しのげる？』
渡辺｢わからないなぁ、右腕持ってかれた、ちょっとキツイかも…｣
岩本『康二てめぇ！』
向井『ごめん！！ごめんなさい翔太くん！！！！』

他の客は目を丸くさせてテロリストと自分を見ている。
それもそうか、明らかに右腕を撃たれた男が泣きわめきもせずいきなり怒鳴ったのだから。
驚くのも無理はないだろう。無理はないだろうけど。

銃弾の嵐を何とか他の客の方にいかないように、人のいない場所で避け続ける。
こういう時体術が出来たら右腕が持っていかれても大丈夫なんだろうけど。
遠距離武器専門の自分からすれば割と致命的な怪我だ。
基地からはおおよそ10分足らず。向井なら5分と少しあれば行けるだろう。

激痛の走る右腕を堪え、護身用の小銃を手に取る。
即座に照準を合わせ、2hit、3発目は外してしまった。
銃を撃った反動で更に右腕が痛む。ピリピリ、とした感覚が走った。
テロリストは無線がバレた時点で逆上している。今更どうこうしようが意味が無い。
それでも時間を稼がないといけない。このまま徹底抗戦なんてしていたらそれこそ自分の身体が悪化する。

渡辺｢…お兄さん、随分安物の銃使ってるね｣
自分でも驚く程に静かな声が出た。
｢貴様…何者だ…｣
渡辺｢ただの軍勤めだよ。…あのさ、お兄さん、その銃長くメンテナンスもしてないでしょ…、下手したら、暴発するよ？｣
少したじろいだ男の隙を突いて、自らの小銃の弾丸を撃ち放つ。

反攻したテロリストの銃弾を数発受けたが、怪我を負っている割には上々だろう。
テロリスト5人の内の2人を気絶、2人に軽傷、1人無傷にしたのが痛かった。
が、右手の感覚はほとんどもうゼロに近く、銃が手から滑り落ちる。
新たに被弾した左脚と右肩に、渡辺は情けなく座り込む。
客はどうやらその隙に逃げきれたようだ。

渡辺｢…康二…早く来て…俺多分蜂の巣にされる…｣
こんなの格好の的だ。敵しかいない、とネックレスを外そうと試みるも左手だけでは上手く外せない。
向井『後30秒耐えて！お願い！』
健在している右脚を駆使して、何とか銃弾を避ける。
30秒って、こんなに長かったっけ。

向井｢しょったくーん！｣
窓ガラスをぶち破って、向井が入ってきた。
渡辺｢おせえよ馬鹿…！｣
息絶えだえに出た声は、向井の耳には入らなかったようだ。

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