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Rc15:曖昧戯曲でShall we dance? ページ33

(Misatorikka 様リク)

●0幕
ぼんやりとした視界にこびりついた「紫」が、まだ離れない。
俺の仲間を、居場所を赤に染めた「紫」が、今も毎日夢の中に出てくる。
「次のターゲットはこいつや、しくんなよ」
「…かしこまりました」
だから、写真を見た時に酷く驚いたのだ。

「…紫、」
「α国のS隊っちゅう、なんや「怪物」や呼ばれてるとこの総監督や。S隊は6人しかおらん言われてんのに、妙に目覚ましい活躍見せてるらしくてなぁ…今の内に潰しとかなあかん」
ボスの説明は半分くらい耳に入っていなかった。
ただ写真に映る紫の目を、食い入るように見ていた。

「これ」は、まだ「主役」になる前の、彼が「モブ」の時の、話である。

●1幕
α国は国からそこまで遠くない場所にある。
布団以外何もない質素な部屋を出て、足早にα国へ向かう。
紫の目を持つ男なんてそうそうにいない。
きっとあいつが「居場所」を焼いた時にいた軍人だ、そうに違いない。

ただ黙々と、夜の静まり返った街を駆け抜ける。
音もなく駆けて行った彼に、通りすがりの通行人は強い風でも吹いたのかと勘違いしていた。
α国内に入るには関所を通らねばならない。彼は見つからないように境界の柵を飛び越えた。

「誰だ!」と叫ぶ門番を気にする事もなく、彼はただ随分近くになったα国王城の方へ走る。
地図を見るに、S隊の基地に入るにはまず王城内に入らなければいけないらしい。
眠たそうな見張り兵が裏門の前に立っていた。
フードを目深に被り、バンダナを口を覆うように上げる。

「…It's show time」
目には目を、歯には歯を。次の瞬間、そこに彼の姿はなかった。

暗転、場面転換

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凌央(プロフ) - 湊都さん» とんでもないです!楽しみにしていますね! (2020年2月21日 16時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - 凌央さん» 誠に申し訳ございません…。31個目なのでリクエストお受けする事が出来ないです。けど、リクエスト内容と淩央様のお気持ちを加味して、他の方のリクエストの時に少し挟めるよう尽力致します。このような形で申し訳ございません。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
凌央(プロフ) - はじめまして。更新お疲れ様です。初リクエストで緊張しています。可能でしたら、それぞれの入団試験話を読みたいです。是非よろしくお願いします。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - はじめまして。いつも更新を楽しみにしています。リクエスト可能でしたら、S隊みんなで野外訓練しつつキャンプを楽しむような話が読んでみたいです。よろしくお願い致します。 (2020年2月20日 21時) (レス) id: da0f7ba994 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 文字数関係で連投になってしまい申し訳ありません。無理でしたらもちろんスルーして構いません。お忙しいと思いますがよろしくお願い致します。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 4ea8c2cdf9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:湊都 | 作成日時:2020年2月13日 9時

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