Freiheit ��

Rc11:虚構の向こうのレーゼドラマ ページ18

(みな 様リク)

宮舘が何者かによって拉致され、その位置情報がデータとして送信された時、S隊は揃いも揃って首を傾げた。
そう、α国内だったのである。てっきり絶賛交戦中のΔ国だと思っていたS隊面々は、疑問符を頭に浮かべつつも現場に向かった。

すぐに気付くべきだったのだ。
拉致されたにも関わらず、無線が壊されていない事、あんなわかりやすく位置情報を示していた事。
何故その時気付かなかったのか、今更悔いてももう遅い。

向井『何何ここ！敵ロボットみたい！怖い！』
佐久間『2階W方面クリア！』
阿部『駄目だ、全然情報がない！』
渡辺『1階E方面クリア、2階E方面に向かう』
目黒『敵全然いないんだけど』
深澤『今のところ康二の所以外に敵は出てないみたい！』
岩本『チャンスだ、探せ！』

無線からはメンバーの声が飛び交っている。
内情捜査も兼ねて、深澤以外のメンバー全員で組織に潜入した。
ラウールはレイピアを持つ手に力を込めて、3階付近を歩く。
侵入者が入っている、というのに、ラウールのいる3階には人っ子一人いない。
逆に静かな廊下で、気味が悪くなるくらいだ。

ラウール｢…誰！？｣
｢あぁ、バレちゃった｣
僅かな物音に思わず振り向くと、白衣の青年がその場に立っていた。
ラウール｢3階S方向、敵襲！｣
｢でもそのままGood Night、｢呪い持ち｣のお仲間ちゃん｣
何かが落ちたような音とともに、煙幕のようなものが辺りを包んだ。
ラウール｢うっ…｣
阿部『ラウール！？』
反射的に口を塞ぐも、遅かったらしい。
身体中が重くなって、思わずその場に座り込む。
｢大丈夫、別に気を失わせたりはしないよ。ちょっと動きを止めさせてもらうだけ｣

｢おや…？そのネックレス。……へぇ、成程。そういう事なんだ。…あはは！これは面白い！｣
白衣の青年が近付く。レイピアを構え直そうとしたが、その前に弾き飛ばされてしまった。
そのまま青年は、ラウールを殺す事なくネックレスを外す。

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