番外編 .. ページ13
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無機質な紙に滲む黒い墨の羅列を追いかけた。
記号の様な其れを脳内で見知った文字に変換しながら正しく読み取る作業を繰り返した。
室内にカフェオレの芳香とココアの甘い香りが漂う。
お手軽に粉末された粉を使って作ったものだが其れでも口に合う美味しいものを選んでいるせいか味は悪くなかった。
文字に視線を向けたままカップを取って温かい液体を口内に招き入れると口内にカフェオレが流れ込んできた。
ミルクと砂糖の甘味が舌先に触れ、飲み込むと珈琲の苦味とコクが後味に残った。
ほっと身体から力が抜けたことで、背後の壁に体重を預けながら本を読むために伏せていた目を一度閉じる。
直接視界から得られる情報を遮断すると瞼に残る黒い文字の羅列と視界の端に映った時計の針。
瞬間的に瞼の裏へ記憶された光景を眺めながら文字盤の針に注目した。
そうして閉じていた瞼を薄く開くと微かに息を吐いた。
再び目を閉じる。
意識をすれば身体の内側から自然と湧き出てくる其れを薄く練り伸ばしながら展開する。
特徴的な金色のリングが二つ、重なった状態で球体の様に回り其の輪が一瞬で外へと広がった。
手元にあった時には肉眼で見えるほどのリングだった二つの輪は伸ばすにつれ金色のピアノ線の様に細くなり目視できないものとなった。
50m、60m……120、140…200、220……＿＿＿＿。
「……あー。」
320m……。
直接視界から得る情報が閉ざされた瞼で遮断されている今、広げられた円から伝わってくる情報の精度が向上していた。
他の人が円を使用してどのような感覚なのかは聞いたことが無いからわからないけれど、自分の円は少し変わっているのではないかと思うことがあった。
生物の動きだけではなく、動植物や無機物までもが感知されてしまう。
空を舞う風の動きだとか、土煙の動き。
土の中の動物がどんな様子なのか。
少し集中すれば頭の中で映像を見ているかのように色がついて、その内温感や匂いまでも感じ取ってしまうのではないかと思い始めていた。
修行の成果か才能か。
以前よりも距離が伸びた御蔭で助かっていることは幾度となくある。最近は滅法距離よりも制度と密度を上げているが。
室内にいるパクとフランクリンはAが念を使っていることにさえ気が付くことなく温かいココアを飲みながら過ごしていた。
こんなふうに、円を使って他人に気が付かれない事も普通とは変わっているような気がしていた。
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xxxxxers(プロフ) - ほんとに面白くて4時間？3時間ほどで読み終えてしまいました！随分前に更新停止しているのはわかっているのですが、できるのであればこの作品の完結を見届けたい限りです…！どうぞ作者様のお身体一番に考え、今後の更新お待ちしております…！！！！ (3月28日 12時) (
レス) @page36 id: 13f4a23a05 (このIDを非表示/違反報告)
huji山(プロフ) - とても面白くて一気読みさせて頂きました(^^)更新待ってます。でも無理はしないでくださいね (10月29日 16時) (レス) @page3 id: 704ce5ae45 (このIDを非表示/違反報告)
g9bdo(プロフ) - 本当に好きな作品です！更新待ってます😆 (2022年8月27日 3時) (レス) @page36 id: ba5c48af12 (このIDを非表示/違反報告)
名無し64451号(プロフ) - 更新ずっと待ってます(泣) (2022年8月17日 17時) (レス) @page36 id: 6f674f571c (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - 作品すごく面白くて、子蜘蛛のみんながかわいすぎます。様々なことがあるとはおまいまさが、更新楽しみに待っています。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高校生 | 作成日時：2017年2月2日 0時
