第八十四話 新個体 ページ38
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本来ウィルスは温かく湿気た場所に発生しやすく空気中が乾燥していれば生物に感染しやすくなるものだと私は認識している。
この世界の細菌類のことを詳しく知っているわけではないが何か特別に構造が違ったり力働いていない限りは気温が低く湿気てはいるが空気中に水分が多く含まれるあの町で疫病が出るなんて初めて噂を聞いた時には驚いた。
北の町から東へ向かって進行が進んでいると聞いているので早めに東の人から情報を取っていかないと後になって売り出されても厄介だ。
私の住んでいる場所までは届かないだろうし、移動売買者をしていた彼と会ったのも西の町で噂を聞いていれば北へ足を向けることはないだろう。
正直、職業柄疫病を調べて特効薬を作りたいところだが生憎危険度がどのくらいのモノなのかを知らないので足を踏み入れようにも迂闊に手は出せない。
東の町へ念を使ってたどり着くと思っていたほど疫病に怯えた様子もなく普段通りに商売をする町の人間の姿があった。
ふと、違和感。態々探さなくてもそこらの物陰にいるはずの浮浪者の姿が見えない。
流星街のゴミ山から来た者はほとんどがそこへ帰り、残りは近くの町へ移り住んだ。と青果店の女から話を聞く。
近くの町ってどこだろうね。
文字も読めないようなゴミ山にいた人間が街へ出て東西南北がわかるとは思わない。
太陽や星座を使って方角を読む方法もあるがやり方を説明すると「すごい。初めて知った！」なんて言葉がマチから帰ってきたのをよく覚えている。
仮に、北の方角を指さしてあっちが南だ。と言ったところで何も知らない無知な者達は信じて安全なほうへ向かうだろうね。
ほんの少し、内側から漏れ出した感情が周囲の温度を下げた気がして空を見上げることで発散させると少し離れた場所から視線を感じた。
「おやおや。まだ避難していなかったのかぃ？ 駄目じゃないか早く非難しないと疫病にかかっちまうよ」
「御婆さんこそ非難しないと伝染してしまいますよ」
「ああ。栄養のあるものを食べてれば大丈夫さ。ほら、あっちへお逃げ。」
老婆が指さす方向へ矛先を向けるとにやりと悪い笑顔を浮かべた老婆が視界の端に入りやっぱり。と呟くと足に力を込めた。
一瞬でその場から移動すると雰囲気で老婆が驚いていたような気がしたが事実だろう。目の前で突然人が消えたのだから。
どうやら、この町も腐敗しているようだ。
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曇天に笑う(プロフ) - 高校生さん» ありがとうございます！こんな無茶に応えていただきほんとに嬉しいです(*｀ω´)これからも更新楽しみにしています！ (2017年2月1日 23時) (
レス) id: cbd3a1b3b1 (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - 曇天に笑うさん» ありがとうございます。ええ。大丈夫です 明日が丁度二日で好きな数字ですので書いて投稿してみますね。 (2017年2月1日 22時) (レス) id: 422479f97e (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - ももタ郎。さん» ありがとうございます。 (2017年2月1日 22時) (レス) id: 422479f97e (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う(プロフ) - とても面白かったです！更新楽しみにしています！出来ればなのですが、旅団の人達が迷子になった所を描いて欲しいです( ´-ω-)出来ればでいいのでお願いします！_:(´ω`」 ∠):_ (2017年2月1日 10時) (レス) id: cbd3a1b3b1 (このIDを非表示/違反報告)
ももタ郎。(プロフ) - 読みやすくて凄く面白かったです！これから、また新しいキャラが出て来るの楽しみですね(´ｰ｀)更新応援しています！ (2017年1月4日 11時) (レス) id: 76d1df2f9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高校生 | 作成日時：2016年8月28日 0時
