第五話 宝探し ページ6
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燦然と太陽が高く上る中、茫漠としたゴミ山の上を歩いていた。
周囲を一瞥しても寂莫としたこの場には人影一つさえ無かった
「何で誰も居ないんだよぉー。人影一つ、死体一つも無いなんて..」
そう。ゴミは大量にあるが生物、人間が一人も見当たらないのだ。一人でも人間がいたら店が何所に在るか聞けるのに。と呟き顔を少し顰めた。
だが、人間は一人も居ないが使えそうな物は幾つも見つかった。
(何でかなぁー、高そうなモンばっかり見つかるんだけど)
勘にしては良品ばかりが見つかっていた。見つかって困ることはないので売る物と売らない物を分けて袋へと入れる。
後は質屋が見つかってくれればいいんだけどなぁ。と呟きながらも手と足は動かしていく。
物品を拾っていくと何故か幾つかの物品が光を纏っていることに気が付いた。光は消えることがなく何時までもその場に留まり続けていた。
そこからの作業は顕著なまでにスムーズに進み、数分で重くなった袋に漸く手足を止め袋を一瞥すると大きく膨れ上がっていた。
「うわ..こんなに拾ってたっけ」
呆然と目を瞬かせながら、明日は質屋を探したほうがよさそうだな。と考えながら橙色に染まりつつある空を見上げ寝床にしている土管へと帰った。
土管、と言っても出口が開いていないので風は余り吹き込んでこない。寒い場合は入り口に蓋をすればいいだろう。
我ながら良い寝床だ、と思う。床には布をいくつか敷いてあり上にかける布も拾っておいたので暖かいだろう。
今のところ寝床には困っていない。問題は他にある。食事だ。
食事だけは早いうちに何とかしなければいけなかった。
今日と明日は元から鞄の中に入っている食料で何とかなるとしてもそれからが大変なので明日の予定は店探し、ということになった。
土管の天井に取り付けたランプの光で“こちらの世界”に来てまだ一度も明けていない鞄を開く。
「腐って無いと良いんだけどなぁー、
ぅわっっ!?なんじゃこりゃ!?」
鞄の口を開くと真っ黒で中に何があるのか全く分からない状態だった。試しに手を入れてみると一様物は入っていた。
もしかして..これは....
「四次元鞄!?え、何でも入るかな..重さも変わんないしとっても便利」
試しに心の中で果物、と思いながら手を突っ込み出してみると予め入っていた蜜柑が出てきた。愕然としながらも嬉しいプレゼントに心は高揚し、蜜柑を食べて眠りについた。
(意外と楽しいな..)
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高校生(プロフ) - 皆様、現在日本に台風が接近していますが怪我の無いように気を付けてお過ごしください (2016年8月29日 7時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - フィンクスloveさん» ありがとうございます (2016年7月7日 12時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
フィンクスlove - とても面白くて大好きです!!更新頑張ってください!!(*´ `*) (2016年6月29日 18時) (レス) id: 8375edd26c (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - シロさん» ありがとうございます (2016年6月22日 23時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - 更新頑張って下さい!楽しみに待ってます! (2016年6月14日 20時) (レス) id: 6ce3e8c171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高校生 | 作成日時:2015年11月22日 22時