第三十五話 盗み聞き ページ37
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歩けば歩くほど噂の種類が変化し物を掏ることよりも周囲の人間の会話へ興味を持った三人は先ほどよりも周囲の会話に耳を傾けていた。
旅行者たちの会話の大半は主に早くこの町から出たいなど嫌みの籠った会話ばかりであった。
中には、新しい魔獣が発見されたなどの面白い会話もあり流星街から出たことのないクロロ達にとっては好奇心の湧く会話であった。
流星街には小さな生き物や鳥類はいるがそれ以外の生き物は生息していなかった。
現在は普段住んでいたゴミ山を離れ隅の方にある街に避難をしているため以前よりも生き物を見かけるのだが。
避難と言う言葉が頭に浮かべば、今年は随分とゴミ焼の時期が遅いと思った。街への避難が長いと問題が起こりやすいのでとても困るのだが。
ゴミ焼や街についての情報を重点的に集めようと噂を聞いていくが、なかなかそれらしい噂は流れていなかった。
「役に立つ情報が無いな」
「あぁ。ゴミ焼と街についての噂は集めたかったんだけどな」
もともと会話を盗み聞く事よりも物を掏る事の方が慣れているので噂を集めようにも集中力が切れてしまい関係のない会話しか聞こえて来なかった。
フェイタンは会話を聞いているのかどうかは分からないが、手だけは良く動いていた。
今日は暇潰しに来ただけなので、好きに会話を聞くことにした。
「おい知ってるか？どっかの街で乱闘が起きた噂」
「あぁ、その噂なら知ってるよ。確か――」
「――薬を買いたいならもっと端の街へ行きな」
「あの地区は治安が悪くて行けねェよ。なぁ――」
ごくごくありふれた会話に退屈になって来た。たまには、もう少し面白い噂が聞きたいと思うのだが、こんな街には同じような噂しか流れてこないのである。
他の地区へ行けば変わった噂を聞けるのだろうが、距離が離れていたり治安がこの地区よりも悪かったりとするので下手に出ることはできないのである。
ゴミ焼が終わってしまえば、この町から離れてゴミ山へと戻るのだ。ゴミ焼が終わった後、街に残り生活をするのは不都合が多いのである。
「――なぁ。東の地区に強い餓鬼どもがいるらしいぜ」
「いつもの事だろう？」
「いや、それが大人の集団と喧嘩をして勝ったらしい。」
「へぇ。東の地区は今一番治安が悪いらしいな」
「あぁ。そういえば、あの餓鬼達結構近くにいるらしいぜ。」
「そうか――」
"強い"という言葉に反応した三人は会話を最後まで聞こうと熱心に会話を盗み聞いていた。
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高校生(プロフ) - 皆様、現在日本に台風が接近していますが怪我の無いように気を付けてお過ごしください (2016年8月29日 7時) (
レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - フィンクスloveさん» ありがとうございます (2016年7月7日 12時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
フィンクスlove - とても面白くて大好きです！！更新頑張ってください！！(*´ `*) (2016年6月29日 18時) (レス) id: 8375edd26c (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - シロさん» ありがとうございます (2016年6月22日 23時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - 更新頑張って下さい！楽しみに待ってます！ (2016年6月14日 20時) (レス) id: 6ce3e8c171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高校生 | 作成日時：2015年11月22日 22時
