第三十話 お留守番 ページ32
..
その後も同じ空間で思考するが、皆良い案は思いつかず結局その日は何も進展しないまま話し合いが切り上げられた。
互いに思うことは同じであるが、幾ら考えても最良の案は思いつかなかった。
頭を悩ます日が何日か続いたある日、Aが用事で出かける事となった。半日ほどで帰ってくる予定だ。と聞かされてはいる物の、Aの居ない空間は酷く寂しく感じられた。
最初は少しの寂しさはあったが、我慢できないほどではなかった。しかし、時間が立つにつれ普段傍にいるはずの人物が居ないことに違和感を覚えた。
自然と外で遊んでいた者も落ち着きがなくなり、安心感を求めようとするうちに寝起きをしている部屋へと全員集合してしまっていた。
たった数時間のお留守番。されど、数時間。
何時も入る存在が居ない空間。いつもならあっという間に過ぎてしまう時間も、寂寥を覚えた自身には酷く長い時間に感じられたのだった。
..
「ふぅ、……噂は本当だったか」
久々に被るフード。薄汚れたマントに付いたフードで顔を隠しながらも順調に作業を進めて行く。
作業を終えると歩き出し、人込みへと紛れていく。
Aが現在いる場所は何時も住んでいる町とは違う地区の街である。ここは治安や衛生が他の地区と比較すれば良いと言える場所であり、人口密度が多い地区である。
何故、Aが一人でこの町に来ているのかというと、ある噂を耳にしたからである。
“ゴミ焼の時に兵器実験を同時に行う”“同時に、地区の一部を消す”
という噂である。
この世界の兵器の威力がどれほどなのかは不明であるが、兵器実験については本当の事であるか確かめたかったのだ。
Aの元居た世界では昔兵器による戦争というモノがあった。体験などした事は無いが、多くの犠牲が出る無駄な争いであるということは理解した。
流星街には主に戸籍の無い者と、少数ではあるが戸籍のあるものも存在している。戸籍のあるものは昔何か悪いことをしてしまった者ばかりで真面な人間は滅多に出会うことはできないであろう。
流星街には地区が存在する場所があり、そこには多くの人間が生活しているが国はその存在を公表していない。戸籍があったとしても犯罪者の集まりばかり。臭い物に蓋をする。
流星街には人は住んでいない。と事実を隠蔽したのである。
人が居なければ兵器実験を行う事が出来るのだ。実験を行ったとしても国にとってのデメリットはまったく無いのである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 612人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
高校生(プロフ) - 皆様、現在日本に台風が接近していますが怪我の無いように気を付けてお過ごしください (2016年8月29日 7時) (
レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - フィンクスloveさん» ありがとうございます (2016年7月7日 12時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
フィンクスlove - とても面白くて大好きです！！更新頑張ってください！！(*´ `*) (2016年6月29日 18時) (レス) id: 8375edd26c (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - シロさん» ありがとうございます (2016年6月22日 23時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - 更新頑張って下さい！楽しみに待ってます！ (2016年6月14日 20時) (レス) id: 6ce3e8c171 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：高校生 | 作成日時：2015年11月22日 22時
