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第二十話 朝食 ページ22

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朝日が淡く建物内を照らしAは子供たちと談話をしながらも少年の診察をしていた。

負傷した少年は倦怠感はまだ残っていたが、熱は引いていた。薬品の御蔭である。筋肉などに異常が無いか動かしたりとしたが大した問題は無かった。


「はい。ありがとねぇー。脈拍、心拍共に異常なし。筋肉の硬直と内臓機能の低下がみられるね」


少年の胸元から聴診器を放してカルテに記載する。

他の子供はAの書くカルテを覗き込んだり、少年を診察する様子を興味深そうに見ていた。

「聴診器なんて初めて見た」という声が多数あり同時に、医者みたいだ。という声が上がった。


「うん?あー、私は医者だよ。……あ、元医者か。今は免許がないもんなぁ」

「医者!?」

「へぇー!元ってなんで?技術があるんだから医者だよ!!」


驚いた表情の子供達。確かにAは元の世界では医師免許を持った立派な医者だった。

ただ、在学中に免許を取った異例の人物だったのだが。そのため、最年少の医師でもあった。


「あー、そっか。ここでは法律なんてないから医者良いのかな」


近くにいた少女の頭を撫でながら、法律が無いのがこんなに楽だとは思いもしなかった。とAは思った。


「あ、朝食は果物だからね。好きなの食べていいよ」


大皿に乗った果物を指さしながら言うと、子供たちは駆け足で果物を食べに向かっていた。

なんというか、目付きがかなり鋭かった。主に少年達が。

Aは小皿を持って半身を起こした少年の傍により小皿とスプーンを手渡した。


「内臓の調子が悪いからしばらくは消化の良い物中心の食事だからね」

「あぁ、分かったよ。どうりでいつもより今日は食欲が無いわけだ」


食欲が無いと言っても小皿に入った果物は早いペースで減っていった。

Aはそれを見てカルテに書き込み、自身も果物を食べていた。

暫く食事の時間が続くと大皿の中は果物の皮と種だけとなり仲のいい子供同士遊んでいる子供もいた。


「そういえば、名前、なんていうの?顔もフードであんまり見えないし」


一人の少年の問いに子供達全員の動きが止まり視線がAに注がれる。

そういえば、フード被ったままだった。と思考しながらフードを取り自己紹介をする。


「改めまして、Aです。職業は医者で、戸籍は無し。これからしばらくよろしくね」


明るくなった視野、目を瞠りながらも嬉しそうな表情をする子供達の姿を視界に入れ、同じように微笑んだ。

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高校生(プロフ) - 皆様、現在日本に台風が接近していますが怪我の無いように気を付けてお過ごしください (2016年8月29日 7時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - フィンクスloveさん» ありがとうございます (2016年7月7日 12時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
フィンクスlove - とても面白くて大好きです!!更新頑張ってください!!(*´ `*) (2016年6月29日 18時) (レス) id: 8375edd26c (このIDを非表示/違反報告)
高校生(プロフ) - シロさん» ありがとうございます (2016年6月22日 23時) (レス) id: ba05ed8226 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - 更新頑張って下さい!楽しみに待ってます! (2016年6月14日 20時) (レス) id: 6ce3e8c171 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高校生 | 作成日時:2015年11月22日 22時

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